海外就職・生活

NZ留学を終えて

ニュージーランドの海を見つめる本田さん

早稲田大学文化構想学部3年の本田智巳です。2018年1月末から2018年11月までニュージーランドのオークランド大学に10か月の交換留学をしていました。

私はいわゆる「純ジャパ」であり、この留学以前に海外に住んだ経験は一度もありませんでした。英語が秀でて出来たわけではなく、特にスピーキングに関しては大学入学時点では自己紹介さえ出来ないレベルでした。

苦労したことも多かった留学生活でしたが、酸いも甘いも全て含めて今までの人生において最も濃い時間を過ごすことが出来たと思っています。

留学していた大学の紹介や自身の経験を通して今まで海外に住んだことはないけれど海外の大学に交換留学してみたいと考えている方の少しでも参考になればいいなと思います。

本田さんとNZでできた友達

海外の大学で学ぶということ

私が留学をしていたオークランド大学は、ニュージーランド国内で最も規模の大きな大学で30ヵ国170大学との交換留学制度を設けており、国際性豊かで留学生の受け入れに積極的な大学でもあります。世界でも有数のダイバーシティを誇る都市として有名なオークランドということもあり、ニュージーランド人の学生と出会うことの方が難しいほど、様々な国から来た学生でキャンパスは溢れかえっています。

そのなかで私は4つのコースを選択していました。私は現在大学3年生ですが、自身の英語力を考慮したうえで全ての授業において1年生のための授業を選択し、受講をしていました。

・Sociology(社会学)

・Biological Anthropology(自然文化人類学)

・Linguistics(言語学)

・Gender Studies(ジェンダー学)

授業形態は日本の大学とは全く違います。一つのコースに対し、大ホールで教授の講義を聴講する「レクチャー」タイプの授業が週に2回、更に大学院生が15人程度の小さなクラスで授業の復習や演習を行う少人数制の授業が週に1回、計週3回のクラスがあります。これを4コース選択し1週間に週12コマの授業を受けます。

出席点は一切ありません。しかし代わりに課題は毎週のように課される上、学期中に何度かEssayの課題の提出も求められます。私は毎回のEssayの際に教授に質問をしに行き構成を練り直したり、ネイティヴの友人たちに文法訂正などをしてもらいながら、乗り越えました。周りの人たちのチカラをたくさん借りながら、死に物狂いで単位をとりにいきました。

本田さんがニュージーランドで通っていた大学

海外大学の寮での生活

私はオークランド大学凱旋の寮で半年ほど生活をしていました。アメリカ人の女子学生1人、イギリス人の男子学生1人、そして私の3人で暮らしていました。私たちはそれぞれ鍵付きの個人部屋を持っていますが、キッチン、バスルーム、トイレなどは全て共有をしていました。

オークランド大学の寮では男女混合の部屋は珍しい事ではありません。女子学生3人と男子学生1人というジェンダー構成がおかしいのではないか?と思うような部屋もありました。食堂などはついておらず、学生は皆それぞれ自炊をして生活をしています。国籍やジェンダーに関係の無い同世代の若者とシェアルームをして良かった点・悪かった点を挙げたいと思います。

良かった点

・お互いの文化の共有をする事が出来る

―政治や法律の話、それぞれの国での社会問題など夜遅くまで議論をする事がありました。また時々誰か1人が3人分の料理を作り、みんなでおしゃべりをしながら晩ご飯を食べる事もありました。

・友達の幅が広がる

―ルームメイトが自分の友達を連れてきてくれたことにより友達の幅が広がりました。友達の友達は友達というように、大きな輪が出来るきっかけとなりました。

本田さんとニュージーランドの友達

大変だった点

・パーティーが好きで、部屋でパーティーが頻繁に行われていたこと

―15人ほどの友人たちを招待し、私たちの部屋でパーティーが開かれる事が多くありました。勉強がしたい!と思っている時であっても、彼らがパーティーの際に爆音で音楽を流すので集中できない事がありました。

・生活のリズムの違い

―イギリス人の男子学生は夜型の生活を送っていたので夜中の3時頃に料理を作り出したり、歌い出したりする事がありました。毎回彼のノイズで目が覚めるので、深く眠れない事もありました。

私の聞く限り、私の寮ではルームメイト同士の仲が良くない部屋が多かったです。それは、家族でさえ同じ部屋で暮らしていても不満を募らせる事があるように、国籍もジェンダーも育ってきた環境も違う初めましての学生が同じ部屋で共同生活を送る事は難しい事に起因していると思います。

海の前で写真を撮る本田さん

しかし、私たちの関係が悪くなったことは半年間の中で一度もなく、常に良好な関係を築き上げていました。それはお互いがお互いの文化や価値観、バックグラウンドを認め合い、享受していたからだと思います。共同生活の中で私が気をつけ、心がけていた事は以下です。

1.「自分はあれもこれもルームメイトに我慢しているのに…」と思うのではなく、ルームメイトがしてくれたことに目を向けること(ゴミを捨ていてくれた、洗剤を購入していてくれたなど)、それに対して感謝の念を持つこと

2.感謝の言葉を口に出すこと、きちんと相手に伝えること

3.他人と共同の生活をする事=ある程度どこかで「妥協」が必要であるという事を認識すること

4.本当に自分自身が我慢出来ないと感じたことは、自分が思っている事を丁寧に相手に伝えること(感情をぶつけるのではない)

5.「おはよう」「おやすみ」「今日も素敵な一日を」など顔を合わせた際には必ず挨拶をすること

勿論彼らとの生活の中で悩む事が無かったとも言えませんが、私は彼らと多くの時間を共有する事ができて、様々な経験をする事が出来ました。日本ではありえない、男女混合の部屋を体験出来た事も今では良い経験であったなと思っています。

マイノリティとしての挑戦

私は留学生活を通して地元のコンサートバンドにフルートパートとして所属をしていました。より精力的にかつ真剣に活動をしているコンサートバンドを選びたい、またニュージーランドのローカルの文化を深く知りたいという二つの思いから、あえて大学直属のコンサートバンドを選ばずに、都市部からバスで1時間半かけて通う地元のコンサートバンドを選びました。

所属し始めの頃は、国籍の違う年上のメンバー達とどのように会話を広げれば良いのか分からず、楽団に全く溶け込む事が出来ませんでした。1人でいても誰も声をかけてくれる事は殆どありませんでした。彼らも私同様に、私に対してどのように話しかけばいいのか分からなかったのだと思います。

自分がまるでそこに存在していないかのようであり、人生においてに初めて「マイノリティ」としての気持ちを感じました。同時にアジア人としての自分、英語を流暢に話す事のできない自分に歯がゆさや悔しさを感じました。

ここで負けてはいけないと思い、まずは自分のことを知ってもらおうと、日本のお菓子を配ったり、自ら積極的に話しかける努力をしました。すると少しずつ声をかけてくれる人が増えていき、毎回の練習を重ねる度に私の楽団での存在が大きくなっていくように感じました。また月1回開催されるコンサートや、8月に行われたニュージーランドの吹奏楽コンクールに出場し、金賞をとるなどのたくさんの経験を共有する事で私たちの溝は埋まっていきました。

私の最後のコンサートでは指揮者の方の計らいでジブリの「魔女の宅急便」をニュージーランドのローカルの地で演奏をしました。ジブリを知らない人達もたくさんいましたが、練習段階でメンバーの皆が「素敵な曲だね」とたくさん声をかけてくれました。

最後のコンサートを終えた後、行きたくない怖い苦しいと思いながらバスに揺られ、練習に向かっていた日々と今の幸せな状況を比較し、涙が止まらなかったです。

初めの頃は自分の存在がそこにない事に対して苦しくて苦しくて辞めたい思いが強かったですが、1年間の活動を通して今ではメンバーは私にとって家族のような存在です。知らない世界に1人飛び込み、恐怖や不安に押し潰されそうな事もありましたが、そこで自身の存在を築き上げ、やり通した事に誇りを持っています。

本田さんが通っていた管弦楽団

まとめ

私がニュージーランドで過ごした10ヶ月は本当にかけがえのない時間でした。世界中に親しい友人が出来、様々な価値観や文化に触れることが出来ました。大学の制度を利用して交換留学をするためには、留学前にある程度の英語力の提示が必要になりますが、その努力は、間違いなくその対価もしくはそれ以上に価値のある経験を付与してくれます。

少しの努力で世界は180°変わります。今回私は交換留学についてお話しましたが、英語が出来なくとも海外経験に挑戦をする方法は多くあります。海外に住んだことがないから英語が出来ないからと理由をつけて自身の可能性を諦めず、まずは1歩踏み出し「挑戦」することが大切だと思います。

ニュージーランドの海を見つめる本田さん

関連記事

  1. 留学やインターンシップに掛かる費用 留学・インターンシップとお金。1ヵ月でかかる費用、人気国別一覧&…
  2. 海外インターンシップに臨むうえで必ず入れておきたいスマホアプリ 海外インターンシップをする準備で絶対入れておきたいスマホアプリ8…
  3. イランでインターンシップをする日本人女子大生 イラン生活日記!!イラン人の予定は未定〜働き方ver〜
  4. 海外へ挑戦するか悩む女子高生 高校生で海外インターンシップ!高校生が海外へ行くのに抱える不安を…
  5. 世界に出れば誰もが日本代表 海外で働くということは日本代表になることである
  6. 辞書を使って英語の勉強 英語が出来なくても海外インターンシップはできます。英語力に自信の…
  7. インドネシアの学校で習字インドネシアの学校で習字を教わる様子を教わる様子 日本語教育は未経験!?京都の女子大生が日本語パートナーズの一員と…
  8. 短期インターンシッププログラムをチームで頑張っている まずは短期インターンで一歩踏み出そう!!春休みや夏休みの長期休暇…

特選インタビュー

ドイツ国旗 ドイツ留学日記~ビビリな理系大学生が長期留学してみた~

みなさん、はじめまして!私は大阪府立大学 生命環境科学域 3年の藤本梓です。今ドイツで長期交換留学中…

こうのさんとこどもたち 中学生で海外スタディツアーからの高校生で海外インターンシップ!15歳の女子高生がトビタテ留学JAPANを利用して、アフリカの病院に勤務!

今回お話を聞いたのは、河埜 華帆(こうの はなほ)さんです。千葉県に住んでいる、15歳の高校…

「イランは凄く良いところです!」と語ってくれたトビタテ留学JAPANを活用してイランで働く女子大生

大学の研修で出会った中東、イラン今回は、中東のイランという地で、語学学校に通いながらインターンシ…

行ってみたら仕事が無かった…ガーナで経験した困難、そしてそこからの挑戦

今回はガーナの村で生活をしながらインターンシップを行っている大学生、梅村さんにお話しを伺いました。…

求めたのはより”厳しい”環境。ベトナムでの短期インターンシップで、困難を乗り越えて学んだこととは!?

今回は、夏休みを利用してベトナム短期インターンシップ、「グロキャン」に参加をした大学3年生にお話しを…

後悔しない!海外インターンの選び方

新着インタビュー

  1. シンガポールでインターンシップをした櫻井さん
  2. インドのバンガロールでインターンシップをした高本さんとその小学校の生徒
  3. 坂田さんと友達の写真
  4. ポンディシェリという元フランス統治下の街に行ったとき
  5. インドネシアの学校で習字インドネシアの学校で習字を教わる様子を教わる様子

Twitter でフォロー

Facebookで最新情報をチェック!

PAGE TOP