日本のグローバル化

「アジア労働者争奪戦」の先にある未来を考えてみませんか

日本の労働力である若者は今後減っていく
日本の労働力である若者は今後減っていく

日本の労働力である若者は今後減っていく

いつかのNHKクローズアップ現代のテーマで「アジア労働者争奪戦」というものがありました。成長を続けつアジア各国で労働力不足が深刻化されているとのことです。

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労働力が不足している?

今、日本では震災復興のための建設業界を中心に人材が不足しており、2020年の東京オリンピックが終わるまで労働力不足は解決しないと言われています。また、「すき家」などで見られるように給料を上げてもアルバイトが集まらず、開店できないといった事態になっている飲食店があります。アベノミクスによる景気向上なども相まって、日本では人材不足が深刻になってきました。

これは高度成長を遂げているアジアでも同様なことが起きています。今アジアでは競うように高層ビルが建設され、外資系を含めた飲食店も次々に進出しており、日本とは状況は違うものの沢山の労働力が必要とされています。今や日本のコンビニや居酒屋では外国人が働いているのも珍しくありません。移民に否定的な日本ですが、気づくと私達の生活は多くの外国人によって支えられています。

海外人材を日本に送り込んで労働力不足を解消

今後人口が減っていき高齢化が進む日本では労働力不足がさらに深刻になっていくことが予想されます。しかし、クローズアップ現代ではベトナムとミャンマーの人材が日本離れを起こしており、韓国や台湾に出稼ぎに行っているということです。このままでは日本の労働力不足は解消するどころか悪い方向へと進んでしまいます。

今こそ制度改革を

それではなぜ諸外国の人材は日本ではなく他の国に行ってしまうのでしょうか。賃金も、生活レベルも、日本が劣っているとは思えません。実はここに制度的不備があるのです。実は日本には単純労働の外国人労働者を受け入れる仕組みがありません。単純労働の場合は技能実習生制度を利用して3年ほどの有期での日本滞在が認められているのみであり、日本人労働者と同じように「戦力」として滞在することができないのです。ちなみに、コンビニ等にいる外国人アルバイトは就労ビザで許可された範囲内(週28時間)での労働者など他の仕組みを使うものがおりますが、フルタイムに日本人同様に働けない点は変わりません。

現在アベノミクスの一環として外国人家政婦の就労を認める特区を関西に作ることが議論されています。これは外国人労働力の活用という観点から見てとても画期的なことです。この特区事業がうまくいき、少しづつ門戸を広げていけば将来的な労働力不足は解消されるでしょう。こういった議論の際に日本人の職を外国人が奪うという意見を聞くことがありますが、世界がグローバル化、フラット化していくということはもう止められないはずです。外国人の力をうまく活用して強い日本を作っていく方法を考えたほうがいいのではないでしょうか。

日本の労働市場の問題も

ただ、制度を改革しただけで外国人労働力が集まるかというとそんなに簡単な話ではありません。アジアの国々と日本では企業の人事の考え方が大きく異なります。例えば、日本では終身雇用が一般的であり、従業員は長期的に育てていくものという考え方の下で若いうちは給与を抑えるといった給与カーブが設定されていることが多いのですが、東南アジアではこの辺りから異なっています。外国人労働力を他の国と競って奪い合うような状況では、日本側も変化していかなければならないでしょう。

日本の少子化を解消して労働力不足を解消

それでも海外からの移民が増えることに抵抗する日本人は少なくないかと思います。海外からの移民の受け入れなしに労働力不足を解消するには、日本人の若者を増やすしか道はありません。そのためには安心して子供を産み、子育てが出来る環境を整備することが重要になってくるはずです。こちらの場合も、制度改革と労働市場改革が必要になってくるのは言うまでもありません。例えば、専業主婦を優遇する配偶者控除をなくすとか、育休をより取りやすく、復帰をしやすくするなどです。

実は今のアベノミクスではこちらも検討されているとのことです。抵抗勢力は多いと思いますが、将来の日本のために改革を断行して欲しいものです。

将来の日本の姿を想像してみる

この両方の策がうまくいくと日本はどんな国になるでしょうか。

外国人労働者は業種を限定して受け入れることになります。例えば、ベビーシッターや介護などの領域。これにより、安心して子供を育てながら仕事に取り組めるようになります。企業も子育てに対する理解があるので、男女問わず育休に入ることができます。生まれてから1年ほどは夫婦で育休を取り合いながら子育てを行い、その後はフルタイムで職場に復帰。外国人家政婦と協力して子育てを行い、家事を全てお任せしているので共働きでもしっかりと働くことができます。

それでも日本人労働力が足りないということであれば、建設現場や工場労働者等の一部の単純作業に対して外国人の就労が認められるかもしれません。ただ、日本人が足りていればここの門戸を広げる必要はなく、日本人の職を外国人が奪うことはなくなります。

これは1つのイメージではありますが、今の制度・慣習を維持したままだと日本の国力は落ちてしまうと思われます。有権者である私達も海外の働き方を知りながら理想の社会の形について考えていく必要があるのではないでしょうか。

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