大学2年の夏休みにフィリピンのスービックで3週間のインターンシップを経験したカワウソさん。
海外で仕事するのって、かっこ良さそうだな。クールに英語を使いこなして仕事をしたいな。
そう思って参加した海外インターンシップがなんと現場仕事の過酷な職場だった・・・!
テンションが下がった、と正直にお話しいただきましたが、その後仕事に対する向き合い方が変わるという価値観の変化に繋がっていきました。
どんな経験からでも学ぶことができるというとても良い実例なのではないでしょうか。
このページの目次
海外インターンを就活に活かした
面接で話したインターンの経験
私がインターンでお世話になった会社は、フィリピンで木材を加工している会社でした。
生産加工工場でしたが、日系企業なので工場内の環境は非常に整えられていましたが、現場での作業は、いわゆる3Kの仕事でした。
日中はうだるように暑く、工場内は木材のオガクズが待っていて、汗をかいた肌にオガクズがくっついてきます。
また大きな重機も沢山あって、騒音も酷かったと思います。
そんな環境の中で現地スタッフに混じって3週間無給で働いたということは、体力的にも精神的にも逞しくなれた、という部分をまず伝えました。
実際に一緒に配属された男子学生は、途中で精神的に参ってしまったので、普通であれば私も参ってしまっていたと思います。
また、当然のことながら、現地ではスタッフとのコミュニケーションは英語ですし、ほとんどの場合、現場の仕事を教えてくれるのは現地スタッフでしたので、そうしたメンバーとのコミュニケーションをどのようにして円滑に行っていたのか?という点についても話をしました。
やはりコミュニケーション能力は、社会人になってからも重要視されるポイントだと思います。
経験のどういう点が評価されたのか
最も評価を受けたと思うのは、そうした過酷な労働の中で私が楽しみを見つけたという点でした。
単調な肉体労働の中で自分なりの目標を作り、それを達成することで小さな喜びを積み重ねていく努力をしたこと。
また作業方法を工夫し、作業効率を上げるなど自分なりの工夫をすることで、作業の中に変化をつけていったこと。
仕事を楽しむ為の方法を自分なりに見つけ出したという点が、大きく評価されたポイントだと感じています。
面接においてどんな質問が来たのか
なぜその仕事を選んだのか?
どのようにして現地スタッフとコミュニケーションを取っていたのか?
などの質問が多かったように思います。
海外でインターンシップを経験している学生はそれほど多くなかったので、海外で経験をしてきたこと自体が珍しく、それほど突っ込んだ質問にならなかったのではないかと思います。
もし自分が今、学生を面接する立場になって、海外インターンシップ経験者に質問するとすれば、
「なぜその国を選んだのか?」
「日本でのインターン経験はあるのか?海外インターンとの違いはどのようなものか?」
「海外インターンで最も苦労したことは何か?またどのようにそれを克服したか?」
「海外でインターンをして良かったと思う点はなにか?」
などといったことを質問すると思います。
海外インターンを通じて仕事の楽しさや誇りを持つことを学んだ
インターン参加前は「海外はかっこよさそう」「英語を使いたい」と思っていた
インターンに参加する前の自分は、なんとなく海外で仕事をするのは格好良さそう、クールに英語を使いこなして仕事を出来たらいいな、そんな風に幻想を抱いてプロジェクトに参加しました。
インターン先は自分自身の選択ではなく、メンバーの特性に合わせた配置だったと聞いています。
私が配属されたのは、日本の大手木材加工会社の生産工場でした。
インターン先が決まって、他の参加メンバーの配属先を聞くと、製造業に配属されたのは自分だけだと知り、なんとなくテンションが下がったのを覚えています。
社会というものを全く知らないにもかかわらず「製造業は嫌だ」といったような、職業の選別を無意識にしていたからだと思います。
偏見が吹き飛んで仕事を楽しんでいる自分に気づいた
インターンに参加し、実際に工場の現場で現地スタッフと共に汗を流し始めると、自分の中にあった偏見のような考え方は全て吹き飛びました。
実は私と一緒に工場に配属された男性の学生がもうひとりいたのですが、彼はなかなか現場に馴染むことが出来ず、インターン期間中にみるみる元気をなくしていきました。
正直言って、工場での作業は毎日辛かったです。
木材加工工場なので、オガクズにまみれて角材を運んだり、木材をカットする大きな機械が大音量で稼働していたり。
日本で言えば3Kの職場だったと思います。
それでも現地のスタッフと汗を流すうちに、自分が元々持っていた仕事に対する偏見がなくなり、仕事自体を楽しんでいる自分に気づき始めました。
「どんな仕事も楽しむことが一番大切」ということをこの時に強く感じました。
実際に私は工場での肉体労働を楽しんでいたと思います。
自分の仕事に誇りを持ち、あらゆる仕事に感謝しよう
インターンの経験は、実際に社会人を経験する前の「仕事を知らない」状態で仕事を経験することだと思います。
世の中にはありとあらゆる種類の仕事があります。
実際に社会人として何年も仕事をしていたとしても、その中で自分が実際に経験できる仕事など限られています。
世の中にはあまたの仕事が溢れているにもかかわらず、実際にクローズアップされているのは一握りの仕事だけです。
恐らくそうした仕事は、格好良かったり、見た目が綺麗だったり、世間的にイメージが良いという仕事だと思います。でも実際には世の中は知られていない仕事が溢れていて、そうした仕事で支えられているのです。
そのことを忘れず、世間を支えているあらゆる人達に感謝の気持ちを忘れないことです。
そして、自分がやっている仕事に対しても誇りを持つということです。
これから海外インターンシップに行く人に向けて、アドバイスや応援があれば教えて下さい。
海外でのインターンは語学の問題もあり、出来ることが限られている場合もあるでしょう。
ただ、貴重な時間とコストを費やして行くので、ただ漠然と「海外でやってみたいから」という理由だけで行くのは勿体ないです。
自分がインターンを通じて最低限得たいことを明確にして実践するようにすることです。
キャライズ編集部よりコメント
カワウソさんは海外インターンシップに応募して、400名を超える大きな会社の製造部門に配属されたという珍しい経験をお持ちでした。
大学などによる紹介ということなので、海外インターン専業の斡旋会社を通せばそのようなことは少ないとは思うのですが、そんな中でも学ぶことがあり、価値観が変わるという「修行の場所」として活用できたというお話でした。
製造現場に配属・・・と聞いたときはお話を聞いているこちらも「え、どうなるんだろう」とドキドキしてしまったのが正直なところです。
カワウソさんがお話してくださったように
- どんな仕事も楽しむことが一番大切
- この世界は沢山の人のたくさんの仕事で支えられている
というのは、仕事を考える上で絶対に忘れてはならないことなのではないでしょうか。
いまこうやって普通に過ごしている私達の生活の裏には、スマホを作る会社があり、そこに材料を納入する会社があり、鉄工所があり、鉄鉱石を採掘している人たちがいて、と世界中の沢山の人の働きによって今の生活はできています。
その生活を支える仕事の一つでも欠けてしまったら、今の私達の生活は維持できなくなってしまいます。
そう考えると、どんな仕事も同じくらいこの世界のために重要であるということが理解できるのではないでしょうか。
この世界にどんな仕事があるのか、そのすべてを知ることも、体験することもできません。
新卒で会社に入って、仕事を5年間したとしても、世界に数多くある仕事の1つしか知らないという状態なのです。
海外インターンはその様々な仕事を見たり、知ったり、体験したりすることができる素晴らしい機会です。
何事もやってみないと気づかないことがたくさんあります。
一歩踏み出して、見たことのない世界を見て、体験することでカワウソさんのように今までは見えなかった世界や価値観が見えてくることはよくあります。
そして、どんな経験からも楽しく学ぶことができれば、それはとても素敵な経験となり、就職活動においても自分を大きくアピールできる材料になります。
海外インターンシップに挑戦して、仕事の楽しさを発掘してみませんか?