イギリスのエディンバラで8ヶ月間の海外インターンシップを経験されたキキさん。
実は「ただイギリスに住みたかっただけで、インターンがしたかったわけじゃない」という衝撃の告白からインタビューが始まりました。
インターンに行きたくて参加している方が多い中、行きたくない方が実際にインターンシップに参加するとどう変化していくのか、とても興味深くお話を伺いました。
海外インターンに参加するかどうか迷っている人にも参考になると思います。
このページの目次
インターンシップに参加することになったキッカケ
イギリスに行きたいという思いで交換留学制度のある大学へ
私は以前からイギリスが大好きで高校生になるまで行ったことがなかったのに素敵だと感じていました。
実際高校時代に行ってみて、その予想していた私の高い理想のハードルを軽々と越えていったイギリスが余計に好きになりました。
これがきっかけとなり、本格的にイギリスに長くいられる手はないかと考え始め、大学時代に交換留学制度を使ったインターンをしました。
そのためにその大学を受験しました。
インターンはやりたくなかった!?
海外インターン中には、エディンバラ大学の講義に出てスコットランド文学やドイツ語、スペイン語、バグパイプなどを習いました。
その傍らインターンをする期間が設けられているプランでした。
正直、大好きなイギリスという土地に少しでも長くいられれば良いと考えていたため、インターンがしたかったわけではありません。
しかし、プランとして設定されていたため選ばざるを得ず、物流業界の仕事に触れてみることになりました。
現地には日本通運などの引越社があり、日系企業もあります。
実際にインターンが始まった瞬間意識が変わった
まず働くということがよくわかっていなかった私は、物流の会社、オフィスという働く場所に足を踏み入れたことで気持ちが引き締まりました。
学生気分ではいられないと感じたのです。
この瞬間私の中で、一つの覚悟ができました。
今までこの自分が働くということが全く想像できず、就活なんて遠い先のことと捉えていました。
働く想像がつかなかったという理由で大学進学をしたと言っても嘘にはならないほどなのです。
しかし、オフィス、しかも海外の会社の中に入ってみて、半ば強制的に自分もこうして働いて生計を立てていくのだなと実感できました。
これは他人からしてみれば小さいことかもしれませんが、私の中では革新的な出来事でした。
この時から自分は多少なりとも変わったのかもしれません。
前向きに参加するようになったインターンシップ
働くということについての意識が芽生え、ただ勉強をしていれば誰にも文句を言われない世界に浸ってはいられないのだと実感しました。
頭ではわかっていても、今まで実感したことはありませんでした。
その後は自信がない中でも、指導を受けつつ同じくインターンをする仲間とできるところから始めて行きました。
私には英語ができるという特技があるかもしれませんが、これは現地では当たり前であり何のアドバンテージにもなりません。
だから耳を澄ませて相手の言うことを聞き取り、適切に仕事がこなせるように神経を常にとがらせていました。
大好きなイギリスで今後働けるかもしれない糸口も見えた気がしました。
ただエディンバラに住みたかったから参加したインターンで仕事や人生観が変わった
その土地に住んでみたかっただけ、という始まり
先程もお話いたしましたが、インターン参加前の私は、正直言えば嫌々の参加でした。
できればエディンバラ大学の授業だけ受けていたい、勉強が好きなわけではないものの、それさえしていれば何も言われない楽な世界で暮らしたいなんて考えていました。
私の目的はただ一つ、好きな土地に長くいたいということ。
それをその当時叶えるためには、日本で通っていた大学の制度を利用するのが最も近道でした。
だから応募したのであって、特に海外でこれを学びたいとか、こんな仕事をしたいという志があったわけではありませんでした。
留学審査で書くレポートも、嘘ではないものの学習意欲があるようなこと、審査する人が喜びそうなことを書けば通りました。
“本当の”「仕事」「就活」を知ることで怯えなくなった
インターン参加後は、ほんの一部ではあるものの働くということがどのようなものか、体験できたことを本当に良かったと思うようになりました。
これは中学生の時にやった職業体験と似ていると思いました。
その時は、保育園に行って3日間過ごしたのですが、子どもが大群となって押し寄せて来るため最悪の3日間となり、私は保育士には絶対にならないと誓ったものです。
もしこの職業体験がなければ私は保育士になる道を選んだかもしれません。
それと同じで、今回のインターンでは物流業界の一部を覗いたことで少し安心ができました。
想像していた「働く」ということと違って、実際に働いてみたことで労働の意味を知れました。
だから就活におびえなくていいのだと自信が付きました。
今でこそなんとか社会人としてやっていますが、あの時の体験は色濃く記憶に残っていて役に立つ経験だったなと思います。
インターンに参加していなかったら働くことが怖いままだったでしょう。
無数の道が開けていると知ることができた
今、未来に向けては特にイギリスへ行こうとか、行動を起こそうなど大掛かりなことは考えていません。
しかし、インターンを得て未来には無数の道が開けていることは常に自覚しています。
よく、仕事が嫌だから自ら命を絶つなどの痛ましい事件がありますが、私はインターンを通じて自分の歩める道は無限にあるのだと知っているので逃げる方法を知っています。
それは日本国内にとどまらず、海外だって範囲内です。
幸い今の仕事はつらくはなく、お給料は低いですが日本で居心地の良い場所を見つけることができました。
だからたまたまイギリスやその他の国へ行く理由は今のところないだけです。
もし今後何かが変われば、インターンに参加して得た広い視野を頼りに世界へ飛び出していく道もあるかもしれません。
これから海外インターンシップに行く人に向けて、アドバイスや応援があれば教えて下さい。
海外インターンシップに参加しようと思っている時点ですごいことだと思います。
自分が経験しておいてなんですが、私の場合はもともとそちらのやる気がなかったのですから。
それでも、経験すれば道は開かれていることに来づけるはずです!
やり遂げて自信につなげてください。応援しています!
キャライズ編集部からコメント
インターンに行きたいわけじゃなかった、そう聞いて「え、このインタビュー大丈夫!?」と心配になったというのが正直な第一印象です。笑
そのまま「やっぱり何も得るものはなかった、インターンはいらなかった」という結論になったらどうしよう、と思ってお話を伺っていったのですが、実際に参加した瞬間から仕事感が変わり、そしてインターンを終了したときには自分の価値観が変わっていた、というとても興味深いお話を伺うことができました
(海外インターンを推進したいキャライズ編集部として、安心しました。)
- 「仕事」を具体的にイメージでき、覚悟ができた。
- 「未来には無数の道が開けている」
この2つの気づきはきっと今後10年ほどに渡ってキキさんの人生を前に進める原動力になるはずです。
私も含め、たくさんの大人がそのような話をしているかと思いますが、それを自分ごととして体験できている学生さんはとても少ないと感じています。
「知識として知っている」というのと「経験として知り、納得している」という状態には大きなギャップがあり、面接で取り繕うと思ってもすぐに見抜けてしまうものです。
そんな体験ができるのも、海外インターンに参加したからと言えるでしょう。
キキさんにはこのインターン経験を就職活動に活かしたときのお話も伺いました。
こちらでは実際にインターンシップで行ったことや、どんな変化が起こったのかをより詳しくお話しいただきました。
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