インタビュー

人にはそれぞれ必ず輝く部分がある…ケニアでシンナー依存の子供たちと過ごして感じた人間の可能性と自分のすべきこと

子供たちと一緒にいる曽根原さん

和光大学現代人間学部現代社会学科の曽根原和花さんにインタビューしました。3年生が終わって休学し、ケニアにて海外インターンをし経験しました。
エジプトが大好きで、ミイラを見ることが好きなのだとか。また音楽を聴くことや、散歩をすることも趣味なのだそうです!

人が大好きで天真爛漫な彼女ですが、抱えていた迷いや葛藤がありました。

そしてそんな彼女がケニアで出会ったシンナー依存の子供たち。子供たちと一緒に過ごすうちに気が付いたこととは何だったのでしょうか?

子供たちと一緒にいる曽根原さん

曽根原さんを形作っている、経験や好きなこと

東日本大震災のボランティアをきっかけとして出会った、災害学という学問

大学のゼミでは観光学や災害社会学を学んでいます。災害学は災害が活きた時の社会の動きなどを学ぶ学問です。また、観光学に関しては、八丈島の研究をしながら、離島におけるエコツーリズムに関して学んでいます。高校生の時、東日本大震災のボランティアをやっていていました。ボランティアに従事していくうちに大学に行っても災害であるとか、災害時の社会の動きや対応の仕方を学びたいなと思っていました。そんな時に災害学の大学教授と出会って、この専門分野に興味を持つようになりました。

初めてテレビで見た時に“ビビ”っと来た、エジプトのミイラ

エジプトやエジプトのミイラが好きになったのは、吉村作治先生の影響です。
エジプトのミイラなどの研究をされている方なのですが、小学生くらいのころからその方の番組をテレビでよく見ていました。本当にずっと見ていました。(笑)それで興味が沸いて、図書館にある本も読みまくりました。なぜ好きかかといわれると難しいのですが、まだ幼かった私の心に妙に印象を抱かせる代物でした。

エジプトには先日実際に行きました。旅行で1週間くらい、ひとりで。(笑)実際にミイラを見ることが出来ました。初めて見る本物のミイラは人が死んでいるという風にはとても思えないほどに美しくて、本当に神秘的なものを感じることが出来ました。特にツタンカーメンの金のマスクは本当に感動しました。ツタンカーメンの塗装は金色の部分と水色に部分があるのですが、水色の部分はどのように色を塗ったのか、未だ謎が残っています。とにかく美しくて、歴史を感じることが出来ました。
もちろん、ピラミッドにも行きました。ピラミッドは想像の30倍は大きかったと思います。見た瞬間、感動で涙が出そうでした。その喜びを誰かと共有できなかったことは少し悲しかったです。(笑)

ケニアという国、MOYOという施設との出会い

大学の講義で出会った、MOYOという環境

大学の授業でMOYOという児童養護施設のオーナーをされている松下さんがゲスト講師として来てくださったことがありました。テレビでの露出もおありの方なので、有名な方ですし、私も松下さんが出られていた番組の回を覚えていました。結構前の番組だったはずなのですが、印象に残っていて、覚えていました。その講義を受けた時に、色々なことに迷っていた時期で、松下さんの話を聞いた時、自分のやりたいこってこれに近いにかもしれないと思いました。そこで授業が終わったあとに松下さんのところに行って「ケニアに行ってもいいですか」と尋ねると、「いいですよ」とあっさり言っていただいて。それがきっかけです。

悩んでいた中で出会った、松下さんのボランティア観

私はスタディツアーマニアみたいなところがあって。(笑)貧困地域やスラム街に訪れることは1年生2年生の時に参加をしたスタディツアーの中でよくありました。でも貧困地域に訪れるたびに何か支援が出来ないかという気持ちは強くなっていきました。またそもそもボランティアとは何なのかをずっと考えていました。そんな時にお話を聞いた、松下さんのボランティアに対する考え方に共感できるなと感じました。松下さんのボランティアに対する考える方を身近で感じ、学んでみたいと思いました。

松下さんは子供たちのために何かをしたいとか、施設を作りたいというよりは、初めてケニアに行ったときから、純粋に子供たちと一緒にいたいという想いで活動をしていると仰っていて、それまで私は支援支援って自分の中で考えていた私の心に響きました。その発想は無かったなと思いましたし、そういう生き方もあるんだなと思いました。

施設の子供たち

MOYOでのインターン

インターン先と業務内容

私は、ケニアにある、MOYOという児童養護施設で働いていました。ケニアにはシンナーの深刻な問題が存在します。貧富の格差が激しく、貧しい方々がスラム街に住んでいる現状があります。そのような家庭は生活していくにもお金も食べ物もなくて、子供が家を追い出されてしまうことが多くあります。そんな子供たちは街に出てきます。物乞いで多少のお金は持ってるものの、苦しい生活に違いはありません。そして、食べ物を買うよりもシンナーを買う方が安いんです。子供たちはより安く手に入るシンナーに手を染めてしまうという構図があります。

MOYOではシンナーを吸ってしまい、道でぐったりしている子供たちを連れてきて、一緒に生活をします。シンナーだけではなく、親がいなかったり、親がいてもネグレクトだったり、育児放棄だったり、いろんなバックグラウンドを持つ子供たちがいます。年齢的には8歳から18歳で男の子だけが生活をしています。どちらかというと男の子の方が親から追い出されてしまっている子が多い印象です。私はそのようにして保護した子たちと生活をしていました。72歳の日本人女性の方が経営をしている施設になります。施設の方針として子供がやっていることに手を出さないというスタンスがあり、見守ることが多かったと思います。働いていたというよりは勉強しに行った感じでした。

MOYOでの1日の流れ

5時に起床します。子供たちは起きてから掃除をして、5時半から朝ごはんを食べます。その後6時過ぎから学校に行きます。子供たちが学校へ行ってから、9時からミーティングがあって、10時から街のパトロールをします。

シンナーを吸っている子供たちは特定の場所ではなく、大人に見つからないように、点々と場所を変えながら生活をしています。2,3日に1回はそのような場所を見回りしていました。その後は事務作業をやって、子供たちが4時頃帰ってきてから洗濯をして、ご飯を作って一緒に食べます。21時就寝でした。

MOYOという施設

ケニアでは、法律として子供たちは養護施設に3年しかいられません。ですが8歳の子が来て、3年では絶対に自立することはできません。MOYAではきちんと国から認可をもらいつつ、自立するまで施設にいさせます。

ケニアは学歴社会で高校に入るのも難しく、みんな高校に入るために一生懸命勉強します。それでも高校に入れない子もいます。中学を卒業し、就職が決まった子は施設を出ていきます。無事高校に合格し、進学するとなったら、もし親がいる場合は親のところに帰ります。親がいないときはそのままMOYOで生活をします。お金は100%寄付で成り立っており、6~9月に松下さんが日本で講演会をやって、資金を集めます。

現地の様子

ケニアで子供たちと過ごして感じたやりがい

見回りをしに出た時に必ず出会う少年がいました。その子は何年も路上で生活をしていて、シンナーも凄く吸っている少年です。10歳ですが、がりがりで小学校1年生くらいの身長しかありません。何度か施設に連れて行きましたが、その度に家出を繰り返していました。ただ見回りに行くたびに出会うため、会うたびに話しかけて、時間あるならおいでよという感じで気にかけていたんです。そしてインターンが終わる最後の週に、いつもは来なよって言っても、「シンナーが吸えないならいけない」と言って付いてきてはくれないのですが、でもその日は行こうかなって付いてきてくれたんです。

話しかけ続けたことが実を結んだのかなと嬉しくて、やりがいとはまた違うのかもしれませんが、達成感がありました。

せっかく連れてきても家出をしてしまう子は結構います。シンナーを止めると禁断症状が出てきて、震えが止まらなくなります。また脳がマヒしてしまうためご飯を食べるのもすごく大変です。ものすごい体力を使うんです。ご飯を食べては10時間寝て~の繰り返しなこともあります。それが耐えられなくて家出をしてしまう子が多いです。でも中にはシンナー依存から脱却出来てる子もいます。また、松下さんは今年の10月から、よりシンナー依存脱却に特化した新しい施設を作っています。そこでは医療技術を使った方法では無くて、森の中で、農作業といった人間本来の生活を行って暮らしていきます。自分自身で自分のことはすべてやりながら、徐々にシンナーから脱却することを目指します。

売人があちこちにいて、シンナーはどこでも売っています。法的にはもちろん違反です。最近取り締まりは厳しくなってきたものの、まだまだたくさんのシンナー依存者がいることが実情です。子供たちは大人に見つからないよう隠れて吸います。街にある映画館などで、警察の目をかいくぐって吸っているんです。シンナーを吸っているのが当たり前の光景で、周りの人も何も言わないんですよね。

子供たちと過ごして感じた、心の変化を読み取る難しさ

それぞれ壮絶な過去があるのに施設にいる子供たちはみんなすごく元気なんです。みんな洗濯も掃除も自分でやるし、遊ぶときは思いっきり遊びます。でも毎日元気で明るいのに、そんな子たちが急にご飯を食べれなくなったり、熱で倒れてしまったり、泣き出したりすることがあるんです。1日の中でそんなことが凄く頻繁に起きたことがありました。色々な壮絶な過去があったとしても、衣食住があって、支えてくれる人がいるから頑張れているんだなと思っていました。でも情緒というか心の問題を普段表に出せなくて、体調に現れてしまったんです。いくらその子たちを観察していても、その子が何を考えているか、悩みなどは全然気づいてあげられないし、難しいなって思いました。心の変化を読み取るのは凄く難しいことだなと思いました。

ケニアでの生活

保険に入っていてよかった…腹痛で病院に行って渡されたのは〇〇の薬

ナイロビから車で1時間くらいのティカという町に滞在をしていました。比較的ケニアの中では都会の方です。ナイロビの治安はあまり良くなくて夜は絶対に出歩いてはいけないと言われていました。でも、昼出歩くのは全く問題ありませんでした。必ずしも安全ではないけど、命にかかわるような危険はありませんし、気を付ければ問題はありません。マタトゥか、トゥクトゥクに乗って移動をしていました。

ご飯は…正直あまりおいしいとはいえませんでした。(笑)施設の料理は味付けが塩のみで味が薄いんですよ。最初は本当に食事がきつかったのですが、だんだん食べられるようになっていきました。ケニアの代表的な食べ物はウガリです。穀物の粉を茹でて作るアフリカ伝統の食品です。日本食を食べる機会を得るのはなかなか難しいです。ナイロビになら、しょうゆなどのちょっとした日本食が売ってあるのですが…でもティカにはありませんでした。

ケニアに行く前に、ネットで検索をした保険で、1ヵ月で1万2千円くらいものに加入しました。そしてなんと、保険が役に立ったんですよ。信じられないくらいの腹痛に襲われまして…本当にマラリアかもしれないと思いました。そこで病院に行ったのですが、治療は結構雑で、採血や尿検査をしてくれて採血の結果ではウイルスはないといわれました。薬をいっぱいもらったのですが、全然関係ない喉の薬とか、風邪薬とかばっかりで全然意味がありませんでした。無駄に貰った薬でもきちんと料金は支払っているので、そういう意味でも保険はすごく大事だと思いました。(笑)

ケニアの食べ物

海外での経験で考える自分の未来

様々な国に訪れ、様々な人と出会って見据えた今後のこと

色々なことを考えても、感じていても、まだまだ全然行動に移すことはできていないと思います。でもこの休学を通して、自分を知ることが、自分の生きやすい場所を見つける近道なんだと実感しました。自分だったら、旅とか海外に行ったりすることがそれで、日常的な自分を客観的に見ることが出来るんです。ケニアで過去色々あった子が一生懸命生きて、なりたい自分を目指している姿を見て、出来ないことなんてないと感じました。誰にだってストロングポイントはあって、そんな自分でも気が付かないようなその人の輝く部分を見つけ出すアシストが出来るような、そんなことをやっていきたいと思っています。

私は人が好きなんです。(笑)その人の良いところを探したい。スタディツアーでも旅行でもない、新しいシステムを構築していきたいと思っています。色々な人との出会いで、今の自分があります。自分の居場所を見つけるのは自分でしかできないことで、色々な人との出会いの中で自分自身を知って欲しいなと思います。今生きてるところが自分にとって生きにくいなら、逃げても良いと思います。だから、そんな人のために、一緒に逃げ場を作っていきたいなって思います。

子供たちと一緒の曽根原さん

海外インターンシップを、迷っている人にひとこと!

海外だからって深く考えなくていい。行ったもん勝ちで、行動した先に何かが見えてくる。自分は英語も出来ないし、トランジットの仕方も分かりませんでした。苦労したことはとても多かったけど、それ以上に得たものが多かったと思います。是非海外に出てみることを私はおすすめします!

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