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海外インターン、求めたのは”チームワーク”
今回は、夏休みに1週間の短期のインターンシップ『グロキャン』を経験した学生の方を取材しました。
自己紹介をお願いします
理工学部3年のY.Mです。楽器を弾くのが好きです。バイオリンでオペラを弾いたりいします。あとはドイツ語が好きです。サークルはオーケストラに入っていてヴァイオリンを弾いています。最近はアンサンブル以外にもソロ曲を弾いたり、ジャズ研の人とバンド組んでジャズにも挑戦中です。
グロキャンに参加を決めたきっかけは何ですか?
ノンネイティブの人と英語でコミュニケーションを取る練習がしたかったからです。
大学にもコンビニや飲食店もアジア諸国出身の外国人をよく見かけますし、メルカリの新入社員の数割が日本人でないと聞きました。将来英語をつかうとしたらその時話す相手は英語ネイティブよりも英語ノンネイティブの方が多いんじゃないかと思っています。またAI導入がどう影響するかわかりませんが、日本の生産人口が減っているのでこれから海外の新卒採用も普通になってくるのかなと思ってこの能力の重要性は高まってくると思ったのがきっかけとしてあります。
また、今までの人生振り返って人と何か協力して成し遂げたことが思い出せませんでした。自分の学生時代頑張ったことを思い出してみると一人で地道にコツコツ努力したものばかりであることに気づいて、それもとても大事なことなのですが、社会人としてやる仕事はどちらかというと組織で行うことの方が多いと思います。そういう環境に今後身を置くかもしれない中で、協調性を身に付けることも必要だと考えました。普段私が大学で行っている実験もチームで行います。チームで協力するのはできる”つもり”ではありますが、最終的な成果を提出することは個人でやるので、グロキャンのミッションのチームで発表するところに魅力を感じて参加しようと思いました。
海外“旅行”ではなく、海外“インターン”にしたんですね。
周りの友達も結構海外インターンシップに行っている人が多くて、「〇〇月○○日まで~」のような感じでLINEの一言にも書いてあるんです。そんな中で自分も何かやらなきゃいけないなと思っていました。そこで海外インターンシップか海外ボランティアで探していて、丁度いいのがあったなと思い、グロキャンを選びました。普段は基本的に長期休暇は必ず海外に行っていました。ただこの夏は、いつも一緒に海外に行く友達がロサンゼルスにインターンシップに行ってしまったんですよ。この夏は海外に行く友達もいなくて。そんな時に見つけたグロキャンは、海外であるし、チームワークという観点からも、自らの力を試すいい機会だと思い、参加してみようと思いました。
グロキャンはどのようにして見つけたのですか?
検索エンジンで「海外インターン」で検索をしたところ、結構上の方に出てきました。最初の10個の中には入っていたと思います。
そうしてサイトを閲覧して、グロキャンに参加しようと思った1番の理由は何ですか?
初めての海外インターンシップという中で、挑戦しやすそうだなと思いました。また、まだ間に合うなと思ったことでした。私が海外インターンシップを探していた時期が8月上旬くらいで、グロキャンのプログラムの1カ月くらい前だったのですが、グロキャン以外で見つけたインターンシップは3カ月前くらいには手配を済ませておいて下さい、といった感じでした。そんな中でグロキャンは割と直前まで受け入れてくれそうでした。あとは、なんかちゃんとしてそうだなと感じました。“どうしてベトナムなのか”であるとか、”どうしてこんなことをするのか”という目的意識が凄くしっかりしていたので、時間も無駄にしなくて済むなと思いました。関心が生まれて、サイトにあった「とりあえず話を聴く」のボタンを押したところ、連絡もスムーズで、次の日のは主催者の方とお話しをさせてもらうことができました。熱が冷めないうちに話しがポンポン進んでいっていました。
そして、いざ初ベトナム、初海外インターンへ!
海外によく行くかれるということですが、東南アジアにもよく行かれていたのですか?
日本から近いところに行くことが多かったです。韓国とか中国とか。友達に中国からの留学生がいて、それでいつも案内をしてもらえるので、中国が多かったです。ベトナムは今回が初めてでした。
今回初ベトナムとくことで、御両親からの反対はありませんでしたか?
ありました。すっごい反対されました。(笑)危ないからというのが1番の理由でした。空港からホテルまで自分で行かないといけないという部分に難色を示されましたね。空港を出たら、色々な危ない人がいるイメージでしたから。実際にいましたし…。それでも押し切る形で参加をしました。でも帰ってきた後、ベトナムであったことを話したら「ずいぶんと度胸がついたんだね。」って褒めてくれました。
実際に危ない人に会ったんですか!?
会いました!日本語で「こんにちは!」と声をかけてきて、手帳を見せられたんですけど、その中に日本語で“あなたのおかげでホーチミンの観光楽しめました”と書かれてありました。ただその日本語の字が、ちょっと子供っぽくって、本当に日本人が書いたものなのだろうかと思い、怪しいなと感じました。“僕は日本人の観光を楽しませたことのある、安全な人間だよ”といった感じで、怪しかったので断りました。逆に日本語で誘ってくる人って怖いなと思いました。でも予備知識はネットなどで蓄えて行きました!
今回のベトナム滞在で、最も心に残ったエピソードは何ですか?
ホーチミンの街の風景が写真で見た印象と実際来て感じた印象が違ったことです。正直に言いますと、参加する前に写真で見たときは、あまりのバイクの多さにガスくさそうとか暑苦しそうなんて印象を持ちました。が実際に行くと、これらの印象は一切感じませんでした。むしろバイクで感じる風がすごく気持ちよくて、ホーチミンって凄く良い場所だなって思いました。また、ベトナムの朝が早かったことです。ホテルに朝の6時に着いたのですけど、もうたくさんの人が活動していて驚きました。動・植物園、中央郵便局、戦争証跡博物館といった観光地も7時半には営業していたので観光も十分楽しめました。
プログラムの中で最も印象に残っている出来事はどんなものですか。
すべてのミッションの中で唯一合格を貰えなかったミッションがあり、印象に残っています。報告時の他の班のプレゼンを見てて、発想の違いを感じました。こんなところから発想をひろげたのか!といった気づきがありました。
講師の方はどんな方でしたか?
全体を通して思ったことは、凄く目的意識がはっきりしていることです。“それは何故か?”といった質問をしたら、必ず納得のできる答えを返して下さいました。そこは凄いなと思いました。“何故ベトナムなのか”、“なぜこのミッションを私たちに出したのか”という話は特に納得が出来ました。また、質問をしたら、必ずしっかりと答えてくれます。レスポンスは早いけど、自分の求めていた答えではないな、と感じるような人って周りに結構いて、でも三宅さんはピンポイントで返してくれるから、とても質問しやすかったです。答えが簡潔で分かりやすいモノばかりでした。
短期の海外インターンシップのここが良いというところはありますか?
1番大きいのは、夏休み中の他の予定と合わせやすいということですかね。サークルなどの他の用事にも参加しつつ、しっかりとした経験を積むことができます。健康面的にも良いなと思います。健康面の不安が長期のインターンシップよりも少ないので挑戦しやすいと思います。1か月とかだったら、もし食事や気候が合わなかったとき、どうしようかなと考えてしまったと思うのですが、1週間なら何とかなるだろうと思いました。あとは、人間関係のストレスもそれほど感じずに済みます。1週間であれば、人間関係の不要なストレス、成長に必要なストレスではないストレスがかからなくて済むなと思います。短期ということで密度が濃いとうこともありますし。
グロキャンに参加して分かった、“自分自身”について
グロキャンに参加してこんなところ変わったなというところはありますか?
発見したことがあったんです!5日間プログラムをこなすことで自分の強み弱みが良くわかりました。
どんな強みを発見しましたか?
自分の強みが皆の話しを繋げられることだなと気付きました。また案外英語もできるんだなと自信がつきました。話しを繋げられるというのは、一緒に参加をしたメンバーが教えてくれました。でも言われてみると確かにそうだなって。言われてみて、ここ数年間を思い返すと納得だなと思いました。また英語に関して、元々日本人もベトナム人もノンネイティブな中でコミュニケーションを取る練習がしたいということも参加理由のひとつでありました。参加前はお互いたとえ英語が話せたとしても、訛りがあったりでうまく意志が伝えられないんじゃないかと思ってました。でも、プログラム中に自分の英語が聴き取ってもらえなかったことって1回もなかったですし、ベトナム人の人たちも訛りが凄いんだろうなと思っていたけど、聴き取れました。自分が思っていた以上にスピーキング面で苦労しなかったので、「ちょっと自分の英語イケてるかも」と自信になりました。また、前提の思い込みをなくして疑問を明確にできること、求められた問いに対応した答えを導けることも私の強みだなと感じました。これらの力のおかげで多くのミッションで合格を頂けたんだと思います。おそらくこれらに長けていたのは日頃の実験が関係していると思っています。実験前後にある大学の教員からの口頭試問や、レポートを書いているときにする友達とのディスカッションを通していろんな視点で疑問を持つクセがついたり、聞かれたことに対して相手に伝わる言葉で論理的・定量的に説明する力が自然と身に付いたんだと思っています。大変さが気持ちとして先行していた日々の実験ですが、自分の思っていなかったような成長があることに気付かせてもらいました。
逆に分かった弱みもあったんですか?
人に話しかけるのが凄く苦手なことです。他の班の人たちと比べてそう思いました。例えば市場調査でのサンプル数が私たちの班は他の人たちと比べて少ないなと感じました。また、夕飯を食べた時に、他の班の女の子とレストランから歩いて帰っていて、他の班のある女の子が、有名な観光地にいた知らない人たちにいきなり「Hey! Take a picture!」って話しかけてて、コミュニケーション能力高いなと思いました。教会の前にたむろしていた若い人達にもいきなり「一緒に写真撮ろう」って話しかけていて驚きました。大学生17人くらいと私たち4人でいきなり自撮りしました。色々な人たちにばんばん話しかけに行っている姿を見て、「勝てないなあ」って思いました。英語は自信になった反面そもそもなかなか話しかけられなかったんですよ。話しかけても断られることも多くて。市場調査などでベトナム人に話しかけるときに、最初は簡単なベトナム語で話しかけました。でもそこから少し英語を話し始めると「Sorry I can not speak Korean.」って言われたりすることはよくありました。恐らく、ベトナムの観光客で最も多いのが韓国人であるという事実があり、韓国人に間違われたのだと思います。
事前の準備が功を奏した“秘密兵器”
今回グロキャンではどのくらいの費用がかかりましたか?
プログラム費用が12万円、飛行機が6万円、滞在費がホテル代1万円、交通費・食費合わせて1万円。あとは…羽田空港からの往復で2000円でした。ただ、食費や交通費は1万円用意して余りました。ただぼったくりに合うことを想定すれば、1万円は持ってきてよかったかもしれないですね。ぼったくりにあわないために言い値で買わない、相場を知る、通貨換算をすぐできるようにするの3つが大事だと思います。私は凄く警戒をしていて、日本大使館のホームページから“ぼったくり防止カード”というものをダウンロード、印刷して携帯してました。
“ぼったくり防止カード”とは!?
ベトナムが、ぼったくりやひったくりが多いということで、大使館のホームページからダウンロードすることができます。それを提示したことで、空港からホテルに向かう価格も適正な価格で乗れましたし、16枚綴りにして印刷しました。
海外保険は入って行きましたか?
カードの付帯保険を用意していました。JALカードとエポスカードを準備しました。保険が登場する場面はありませんでしたが。
海外インターンシップを通して見据えた進路
これからのことについて伺いたいです。
色々経験して今は、大学院に進学しようと思っています。自分の専攻は化学なので、日々実験が多くあります。数もそうだし、時間も凄い遅い時間まであるんですけど、13時半に始まって21時に終わることとかもあります。しかもそれがレポート42枚とか…。辛いなって思うことがよくありました。辛いから、実験なんてしなくてよい職種に就職しちゃおうと思ってました。それで夏休み、グロキャンも含めて、文系チックなインターンシップにたくさん参加をしようと思いました。グロキャン含め参加をして、どんな職業に就いても、辛いと思うことが必ずあるんだということを知りました。8時間の実験+42枚のレポートと、グロキャンの5日間の大変さもあまり変わりませんでした。どこの世界に行っても同じように大変なことはあって、それならば、同じ大変さでも、自分が好きな化学で生きていきたいなと思いました。
海外インターン、迷っている人にひとこと!
1回ぐらい行っといても損は無いと思います。(笑)実際行ってみて楽しかったのは、絶対に普段の生活では話さないような学生達と接するので、そこで自分の当たり前が相手にとっては当たり前ではないということが多々あることを知ったことです。普段自分の周りに集まる人って自分と似たような感性の持ち主が多くて、無意識のうちにそういう人たちを選んでいたんだなとインターン中に毎日感じていました。毎日ルームメートと話して、色々な人がいるんだなと感じていました。社会に出たら、やはり色々な人たちが集まると思うので、そんな環境を学生のうちに経験して、自分とは違う色々な人たちとコミュニケーションを取る練習になると思います。そういう意味でも参加する価値はあると思います。
さいごに
プログラムを通して、自分を見つめなおし進路を見出したMさん。お話しを聞いて海外インターンは自己分析にも大きく貢献するんだなと感じました。