今回お話を伺ったのは、鹿児島大学農学部の坂田蒼さんです。
坂田さんは2018年1月~10月まで、アメリカのサンノゼに滞在し、交換留学とインターンシップを行っていました。
今回はそんな坂田さんに、アメリカでのインターンシップの経験や、生活について話していただきました。
シリコンバレーならではのテクノロジーに関する話は非常に興味をそそられました。
このページの目次
現地でのインターンシップ生活
ジョインした企業での業務内容
私がインターンシップをしていたのは、主に太陽光発電で発生した電力をためる蓄電池と家庭内でその電力を使えるようにするインバータを販売している会社でした。
私はその企業の中で、新しい技術と、自社の持っている技術を組み合わせた新規事業の考案を行っていました。
具体的に言うと、電力の個人間取引を可能にする通信技術に関する新規事業を考案していました。
製品開発エンジニアがメンターについてくださって、インバーターに自分が知っている技術をどのように応用できるのかを議論していました。
その際お互い知らない部分を教えあったり、自分の英語のプレゼンに関してメンターの方がフィードバックをしてくださったりしていました。
坂田さん以外のインターン生
2週間くらいは別のインターン生も一緒に働いていました。
それ以外の期間のインターン生は私ひとりでした。
他のインターン生は日本人で、個人で申し込む別のプログラムの一環で来られていました。
企業にジョインしたいきさつ
最初にインターンしようと考えていたのは別の企業でした。
その企業のインタビューはパスしたのですが、ビザの関係でちょっとリスキーだということになって、結局インターンをすることができなくなってしまったんです。
しかしどうしてもインターンシップをしたかった私に対して、アメリカでお世話になっていた方が、インターンシップ先を紹介してくれました。
別のプログラムの一環で毎回学生をインターン生として受け入れているのもあって、学生の受け入れにも慣れている感じで、インターン生として受け入れて頂くことができました。
現在アメリカではビザの関係もあって、現地企業は外国人のインターン生を受け入れに対して積極的ではありません。
3か月以内の滞在であれば、ESTAと呼ばれるビザがいらない観光用の滞在許可は取得できますが、ESTAでの滞在で、就労を行うことはできません。
なのでアメリカでインターンされる方はF-1やJ-1といったビザを取得してインターンされる方がほとんどです。
インターン時の1日の流れ
朝10時くらいに出勤して、メンターのエンジニアの方と午前中ミーティングをします。
お互いに技術に関して質問をし合って、その後メンターの方からは自分のプレゼンやリサーチ内容に関してフィードバックをいただいていました。
それらが終わったあとは自分の調査に戻って、その他の頼まれた仕事をその合間にやっていました。17時~18時には退勤してましたね。
あとはインターン中その業界のSPIという大きなカンファレンスも開催されたため、そちらにも参加して知見を広げたり発表者に質問したりしていました。
インターンシップ中の英語に関して
業務中は、基本的なメール等には英語でやりとりを行いますが、会社に日本人の方もいたので、その方とは日本語でやりとりをしていました。
相手が何を言っているのかは、前半学校に行っていた関係もあって聞き取ることができたのですが、相手の分野の専門用語や早急な決断が必要なディスカッションなどは難しい面もありました。
これは今後の課題となりました。
インターンシップを通して感じたやりがい
最も印象に残っている経験は、会社で働いている従業員の方全員の前でプレゼンテーションを行ったことです。その時は本当に緊張しました。
プレゼンテーションを行う場合、通常聞き手に合わせて言葉やスライドの順番を考えないといけないと思うのですが、そのときはセールスからエンジニアの方まで、幅広い職種の方がいたので、なるべく全員に伝わりやすいように工夫をする必要がありました。
インターンシップを通して大変だったこと
一番大変だったことは前提となる業界の知識があまりなかったことです。
私の専門はもともとエネルギーではありません。
ですのでエネルギーに関する前提知識はあまりありませんでした。
調べていけばわかるのですが、エネルギーに関する事業は結構国によって仕組みや規制が違い、複雑なマーケットにあります。
例えば電力会社一つとってもその概念が日本とアメリカでは異なりますし、ビジネスにおけるサービスもその分多様です。
そんな手探りの状態で、自分にしか見つけられないポイントは何があるのかなということは常に意識していました。
大変でしたがどんな小さな発見でも相手が真剣に聞いてくれたので、やりがいがありました。
インターンシップを終えて感じた自身の変化
限られた期間で目標を達成するには自分がやることやできることを絞って、他のところはできる人に頼る大切さを学びました。
自分の好奇心が広く行き過ぎたときにメンターの方から今はここにフォーカスしてくれと注意を受けたり、逆にプレゼンをした後この資料分かりやすくするために手伝って欲しいといわれたりすることがありました。
他人の方が自分より自分の得意なことを見極めてくれる可能性が高いので、どこをフォーカスすればいいのか明確になり、勉強になりました。
シリコンバレーでの生活
滞在していたアパートに関して
カリフォルニアのサンノゼという場所にあるアパートに住んでいました。
アパートの家賃は月7万円くらいで、食費等に月1万円くらいかけていた思います。
サンノゼはシリコンバレーの中にあるので、家賃は非常に高額になります。
大学の寮に関しては家賃は10万円以上します。
ですので、家賃が650ドル、日本円で7万円くらいだというとすごく驚かれました。
アパートに関しては、知り合いの方から大家さんを紹介していただいて住み始めました。
生活費を抑えるコツは、、、
とりあえず現地の生活に慣れている人、知っている人を増やしてコネクションを作ることだと思います。
信用できる人とのつながりで、いい情報を得る機会が多いからです。
アメリカで生きていくうえで、人との繋がり、コネクションは非常に大事になってきます。
休日の過ごし方
現地の学校に通っていたときの友達とあちこち観光したり、自分でテクノロジー系のカンファレンスやイベントに参加したりしていました。
また夏の間は色々なコミュニティでバーベキューが開催されていたので、そこでボランティアをしながら、アメリカで働く様々な立場の人とお会いしていました。
イベントで隣に座っていたのは、、、
サンノゼはシリコンバレーの中にあるので、あちこちで新しい何かを始めようとしている人、ビジネスの種になりそうなことを探している人であふれています。
なのでカンファレンスに行ったら、隣に中国人の投資家が座っているようなこともざらにある環境でした。
アメリカに行くのに際した準備
語学力に関して
通っていたサンノゼの大学の場合はTOEFLの条件があって、TOEFL iBTで61ないと最初から学校の授業に参加できないという条件でした。
一応付属の語学学校があるので、そこで最初に勉強をしてから、大学に入るという方法もあるのですが、その語学学校に通うだけで100万円以上の費用がかかります。
ですので、行く前になんとかスコアを取っていきました。基本的に独学で勉強しました。
TOEFLはアカデミックな内容のテストなので、アメリカ人でも知らないような単語がでてきます。結構独特なテストなので、自分でしっかりと勉強をして臨みました。
アメリカ行きに対する両親の反応
多少心配はしていたと思います。最近も銃の乱射の事件がありましたし、実際住んでいる時も発砲事件が起きたりしていました。
あまり治安が良くないところはあると思うので、心配はしていたと思います。
それでも自分の道は自分で決めろと言ってくれて、折角行くなら動き回って色々な人と出会ってきなさいという風に言ってくれました。
帰ってきてから感謝の言葉はきちんと伝えました。
アメリカでのインターンシップを終えて見据える今後
インターンシップ含めて色々な経験をした中で自分なりの研究テーマが見つかったので、その分野で自分にしかできないような切り口で新しいものを作っていきます。
海外インターンシップ、迷っている人にひとこと!
人は動く生き物です。
直感でそこに行きたいと思えば行けって思います。
それは自分が望んでいることだから、自分にもう一度問いかけをしてみてください、と伝えたいです!