海外在住の日本人は年々増えておりますが、一口に海外在住日本人と言っても様々な種類があります。現地での生活スタイルも違えば、コミュニティが違うこともしばしば。東南アジアにいるそんな「海外組」の日本人について考えてみます。
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企業から派遣されている駐在員
海外で仕事をしていると聞くと真っ先に思い浮かべるのが駐在員ではないでしょうか。日本の会社で働いているが会社の指令により海外に転勤になったのが駐在員。あくまでも海外は「駐在」であり、本拠地は日本です。
駐在員の場合は給与は日本水準で、家や車を会社が支給することも多く、日本よりも良い生活をしている方が多いです。外交官等、日本政府からの派遣の方もいます。
プールやジムがついたマンションに住み、家事はお手伝いさんがやってくれて、毎日の通勤は車が迎えに来てくれる生活。ただ働き方も日本のような働き方を求められ、さらには現地の社長、部長など重責を担うポジションとなるために激務という場合も多いです。
会社からの指令で海外生活となっていることも多く、必ずしも住んでいる国を好きな人ばかりではないのも特徴です。日本のように働き、毎日日本食レストランへ行き、会社を出れば日本人だけと付き合っている方もいます。
自らその国で働くことを希望した現地採用
最近は現地採用という働き方が一般的になってきました。現地採用とは、日本にある法人に所属しているのではなく日系企業(それ以外の方もいます)の現地法人から直接採用されているということです。給与も現地水準、と言っても、「現地の日本人水準」です。
例えばインドネシアではインドネシア人若者の平均給与は5~7万円ほどですが、インドネシアの現地採用の日本人若者は15万円~25万円ほどであり、決して現地人と同じ水準というわけではありません。ただ、日本で働くよりも額面給与が下がる場合が多く、駐在員との差は大きいです。
しかし、その分物価が安かったりと現地ローカルをうまく使って生活すれば日本で働いていた時よりもたくさん貯金や趣味に使えるのも事実。しかも、その国に住みたくて来ているので、現地の友人を作ったり、ローカルスポットに行くのは楽しいはずです。
バンコクに住むことを考えると、駅近のワンルームを借りても家賃は3万円ほど。食費は1食200円からあります。月の生活費を10万円以下にすることも可能です。しかも海外旅行は東南アジア諸国であれば往復1万円ほど。
仕事内容はといえば、ベトナム人を取りまとめるマネジャーだったり、日系企業担当営業だったりと様々ですが日本で働いている時よりも責任のあるポジションになることも多く、やりがいという点でも悪くないのが現地採用です。
海外で起業した現地起業家・フリーランス
海外で事業を起こす日本人もいます。事例として多いのは、現地情報誌、進出支援コンサルタント、ビジネスサービス、人材紹介、飲食店などでしょうか。海外での企業となると法規制も税制も文化も習慣も日本とは違うので苦労は絶えないと思います。しかし、日本品質のサービスを提供している競合が少なく、人件費も安く、市場はどんどん成長していくというのはまさにビジネスチャンス。
生活のスタイルはまさにその人次第というのは日本の起業家同様でしょうか。
定年退職後を海外で暮らすリタイヤ組
定年退職後を海外で暮らす人々も増えてきました。昔はカナダやハワイが人気だったのですが最近はマレーシアが人気のようです。ビザもMM2Hビザというものがあり、ある程度の資産があれば永住も可能になっています。収入は年金があり、物価が安いので悠々自適な暮らしをおくれるのではないでしょうか。
クアラルンプールでは医療の質も向上してきているので万が一の時も安心です。最近は老人ホームを海外に作ろうという動きもあるそうです。
海外で学ぶ留学生・インターン生
東南アジアでは主に語学留学が多いのですが、シンガポール等ではMBA留学などもあります。また、最近増えているのがインターンシップ。3ヶ月~1年ほどの期間で海外で働く体験をする学生が増えています。今やどこの企業でもグローバル人材を求めている時代なので、海外で働いた経験は間違いなくアポールポイントになります。
「ギャップイヤー」という言葉も聞くようになってきました。大学を卒業してすぐ就職するのではなく、大学と就職の間にギャップ(隙間)イヤーとしてボランティア、インターン、旅行などの活動をやろうという運動です。欧米では当たり前のギャップイヤーですが、日本でも事例が増えてきました。
専業主婦・主夫
駐在員の妻、略して駐妻(ちゅうづま)と呼ばれることもある方々。日中は高級ホテルのラウンジでおしゃべり、というイメージを持っている方も多いかもしれません。実は様々な活動をしている方が多く、現地の言葉を習い現地の友人を多く持っている方もいます。
食事なら高級レストランからローカルフードまで、幅広く現地情報に詳しい方が多いのです。
ここで上げている生活スタイルはあくまでも一例であり、もちろんこれ以外にも様々な方がいて十人十色の暮らしをしています。あなたが海外で暮らすならどのような暮らしになるか考えてみるのはどうでしょう。