インタビュー・体験談

ベトナムでの短期インターンシップを終え、国際ボランティア団体の代表へ。そんな彼女がインターンシップを通して学び、団体運営に活かしていることとは!?

佐田さんの後ろ姿

今回お話しを聞かせてもらったのは、佐田栞さんです。中央大学の2年生でマーケティングを専攻にして勉強をしています。1年生のころから海外に家を建てるボランティアサークルに所属をしていて、いまはその団体の代表をされているそうです。

佐田さんはベトナムで行われる短期インターンシップ『グロキャン』に参加をされました。そこで学んだ様々なことが、いまの団体マネジメントに活きているそうです。

どのようなことを学び、今現在実践しているのでしょうか?

インタビューを受ける佐田さん

このページの目次

東南アジアでの活動を志すようになったきっかけ

ハビタットフォーヒューマニティとの出会い

私は現在ハビタットフォーヒューマニティというアメリカ発のNGO団体に所属をしています。ハビタットフォーヒューマニティでは、東南アジアなどに学生を派遣し、家を建てるお手伝いをする活動を行っています。

私たちは日本支部の学生委員会のような形で、長期休みに2週間くらい学生をボランティアに行く目的で派遣をします。現地に行って1チームが1軒の家を建てるのに携わります。レンガを積んで、セメントを付けてという作業を繰り返します。ただ家を建てる手伝いをするだけではなくて、現地の人とのコミュニケーションを図りながら、家の完成という成果に向かって取り組んでいきます。

東南アジアの大体の国は派遣国になっていて、わたしが実際に行ったのは、カンボジアのシェムリアップと、ベトナムのドンタップ省というところでした。

ハビタットフォーヒューマニティに入った理由

1年生の新歓の時期にTwitterで団体側からフォローされたのが初めで、最初の感想は家を建てるってすごいなという感じでした。もともと国際ボランティアとかに興味があったわけではないのですが、家を建てるという活動に惹かれました。1年生でせっかく入ったし、海外に行ってしまおうということで初めて発展途上と呼ばれるカンボジアに行き、そこから東南アジアに惹かれて行きました。

団体に所属した当初と現在の気持ちの変化

今、代表という立場になってからは、国際協力とかボランティアにフォーカスをあてたいというよりは、この団体を、組織をマネジメントすることに重きを置いています。大きな組織のリーダーの経験はそんなにできることではないですし、挑戦をしてみようかなと思いました。

街で情報を集める佐田さん

グロキャンに参加をしたきっかけ

東南アジアに対するイメージの変化

カンボジアに行ったことがきっかけで、発展途上国に行くことのハードルが下がりました。それまでは家族で旅行に行くことはあったものの、ヨーロッパなどの先進国に行っていたので、途上国に対して、危なそうだったり、汚そうというイメージが強かったんです。でもハビタットフォーヒューマニティで初めて団体から派遣をされることが決まって、とりあえず行くしかないという状況になっていたので、多少の不安を抱えながらカンボジアへ行きました。結局東南アジアの面白さに気付かされました。

それからは、東南アジアにもっともっと行ってみたいというふうに思うようになりました。

抱いていった東南アジアの魅力

いちばんは人が温かいということです。日本と同じアジアの国々ですし、欧米に行くとアジア人は劣等感を感じることもあります。たしかに東南アジアはすごくきれいというわけではないけれど、逆にそんなところに親近感がわきますし、発展を遂げている途中であるという部分にわくわく感を覚えました。自分は生まれた時から日本という発展しきった国で生きてきたので、発展途上国であるということが新鮮で、こんな風に国は発展していくんだなと思いました。

目的を持った海外渡航がしたい

ハビタットフォーヒューマニティでカンボジアへ行った夏休みは、目的を持って海外へ行ったから充実していたのではないかなと思いました。カンボジアにもし旅行で行っていたら、ここまで充実はしなかったと思うし、ボランティアという目的があったからこそみえてきたものがあったと考えていました。
そこで春休みは何をしようかと考えました。東南アジアに行きたいというのは決まっていて、そこでの滞在を充実させるために目的が必要だと思いました。毎日Googleなどを使って調べていたら、インターンシップというかたちがあることを知りました。そこから、東南アジア×インターンシップという感じで調べていったときにグロキャンへたどり着きました。

グロキャンに決めた最後の決め手

東南アジアで、かつビジネスを学ぶことができるという条件で絞った結果、最後はグロキャンともうひとつのベトナムでのインターンシッププログラムで迷っていました。それからは、ネットの情報だけじゃ良くわからないなと思ったので、実際にどちらもお話を聞いてみようと思い、武者修行の説明会に参加をし、グロキャンの講師の方と直接電話をさせてもらって、決めました。

面談のなかで話していただいた、「なぜ、ベトナムでこのインターンシップをするべきなのか」という話や、「世界の現状やこれから世界がこのように変わっていくから、だからこそこのスキルが必要なんだ」という話に納得させらました。講師の方の熱量にも惹かれましたね。他にも社員さんがおられる中で、社長本人が直接話してくれたという点がもうひとつの方にはなくて、代表がこれだけ熱量があるなら大丈夫だろうと思ったのが理由です。

グロキャンの様子

ベトナム、ホーチミンでビジネスを学ぶ濃厚な5日間

グロキャンで心に残っていること

他の人にこのインターンシップでの経験を話していく中で、インパクトがあるなと思うのは、初日のミッションです。プログラムの初日にいきなりこんなハードな課題を出されるとは思ってなかったし、もはや英語圏でもない場所で、誰も知り合いはいなくて、ひとりで、、、という感じで一気にいろいろなものが覆いかぶさってきた感じでした。こんなの本当にできるのか…と思いましたが、でもやるしかないですし、ひたすら街に出てベトナム人に話しかけまくりました。

最初に出た課題を一心に取り組んだ結果、もうどうにでもなれという感じで吹っ切れて、次の日からのミッションにも取り組めました。やはり最初に取り組んだ課題が、それまでにも感じたことがなかったし、今後もあるのか分からないくらいにインパクトがある出来事でした。

とにかくベトナム人に話しかけまくった

もともと知らない人に話しかけることは、やれと言われればできるかなという感じでした。初日のミッションのときは、どこを回るのかということをまず最初に考えました。最低限べトナム語を話せない自分がコミュニケーションをとれる人に声をかける必要があったので、観光地を中心にまわりました。観光地のチケット売り場のお姉さんやお土産屋さんの人とにターゲットを絞って話かけまくりました。

プログラムの中で達成感を感じたこと

現地の大学生を調査しなければならないということがあって、たくさんの学生にインタビューをする必要がありました。2人組で取り組むのですが、前の日からGoogleフォームを作って、どうしたらその数の大学生に話を聞くことができるのか話し合いながら計画を立てて臨みました。大学を回って、サンプリングをして、集計して、発表をするという、聞いただけだと途方もないような感じですが、それをきちんと1日でやり遂げたというのは達成感を感じましたし、自信になりました。

最初聞いただけでは難しそうだと感じたことも、挑戦してみると意外とできてしまうことに気付けたことはとても良かったと思います。

プレゼンをする佐田さん

プログラムの中で悔しかった経験

悔しかったのは、日本人のベトナムで経営をしている起業家の方から、新しいプラットフォームを提案して欲しいという課題を与えられて、あらゆる提案がうまくいかなかったことです。

「わくわくするようなもの」という条件があったのですが、私のチームは、プラットホームとはそもそも何なのかと考えたときに、社会問題を解決し得るものだと定義しました。でも今思うと、その社会問題も自分の視点ばかりだったし、相手がどういうことを求めているのかを考えずに、結局発表までいってしまいました。その方がわくわくしないというのはもちろんですし、マネタイズや国の制度に関しても発表の際に指摘を受けてしまってすごく詰めがあまかったと思います。手も足も出なかったなと思っているのがその課題でした。

自分と同じ目線で話てくれる講師

企業の代表でもあるし年上だし、的確なアドバイスもくれるのですが、全然上から目線では無くて、学生達と同じ目線で話つつ、でもしっかりと納得させられるのがすごいと思いました。すごく親しみやすい方でした。みんなでご飯行こうよと誘ってきたり、友達のような感じで接してくれるのに、すごく尊敬できる存在です。

プログラムの中で印象深かった話

ミッションのなかで聞かせていただいた、目標と目的を分けるべきだという話がいまでも印象に残っています。その話をきくまでは、目的と目標なんて似た意味の日本語だし、特別意識して区別することもありませんでした。ミッションを終えてその話を振り返った時に、目標ってこういうことか、目的ってこういうことかという感じで合点がいって、それが今でも役に立っています。今でも話をするときにはそのことを考えながら話をするようになったなと思います。

また「貢献意欲」に関してもそうです。何かの選考があり、エントリーシートのようなものを書く際に、相手は何を求めているのか、その設問によって相手は何を知りたいのか、そのようなことをすごく考えるようになりました。グロキャンに参加をしてから書いたESなどの文章で、あまり落とされた記憶がなくて、それはいまでも役に立っています。

短期インターンシップ参加ののメリット

1週間のプログラムですが、あんなに充実した1週間は初めてでした。時間の流れは早くて、朝から一瞬で夜になるのに、1週間がすごく長く感じました。自分でも良くわからなかったのですが、他の参加者も同じようなことを言っていて、本当に充実しているときの時間ってこんなふうにで流れるんだなと思いました。

正直毎日本当にたいへんでした。朝いちでミッションを渡されて、昼過ぎのリミットタイムまでひたすら考えて、その日の日報を書いて、寝て次の日また朝早く起きて…という感じです。毎日得るものがものすごくたくさんあって、逆にあれが長期間だとすごく間延びするのではないかなと思いました。

1週間だからこそ、あの密度で、集中して、取り組むことができたと思っています。

ホーチミンの夜景の前で写真を撮る佐田さん

グロキャン参加後のいま

今でも活かしている、グロキャンでの学び

目的と目標を分けるべきだ、ということに関しては、正式な場から友達と話すときまで意識しています。相手が気にしないと思っても、自分としてはすごく意識して話たりしていました。夏にボランティアで2週間ベトナムに行ったときも、17人のチームをリーダーとしてまとめなければなりませんでした。その際、ボランティアに行く目的というものがないと絶対に充実しないなと思って、最初にチームの皆に、ボランティアに行く目的を教えて欲しいという話をして、じゃあこのプログラムの中で達成したい目標はなんですか?というふりを与えた時にあきらかに皆目的と目標はちがいました。そういうときに改めて違いを感じますし、意識して区別しようとはしています。

グロキャン参加後、所属団体の代表となったいま見据える今後

いまいちばん重きを置いているのは、サークル活動です。団体の代表になった以上ベストを尽くしたいというのがいちばんにあります。2つ上の先輩の代がすごく勢いがあって、楽しかったので、いまはその勢いを取り戻したいというふうに思っています。
毎年、新歓の時期に実際に新歓をやって40人くらいがサークルに入ってきます。

ただ、みんな他のサークルとの掛け持ちで、2年生の終わりくらいには半分くらいになってします。同じことをやっていてもサークルとしての成長は感じられないし、校内の知名度を上げるという意味も込めて、サークル内の人数を増やしたいなと思っています。次の春は100人入れるぞということをモチベーションに、いまは日々みんなにいかに楽しんでもらうかということに取り組んでいます。

佐田さんの後ろ姿

海外インターンシップを迷っている人にひとこと

私はやりたいと直感的に思ったことは何が何でもやるべきだと思っていて、やりたいことはやったほうがいいと思います。お金とか親の反対とかの障壁があるなかで、でも自分がやりたいと思ったのには何か理由があると思っていて、やりたいと思ったら、すぐに行動に移すというのは大切なことだと思います。私自身普段から心それをがけています!

佐田さんが所属をするハビタットフォーヒューマニティの公式HPはこちらから

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