今回お話を聞いたのは、大阪市立大学の商学部に通う22歳の櫻井瑞希さんです。趣味は映画やYouTubeを観ることで、映画は洋画のアクションが好きなのだとか。櫻井さんはシンガポールに6週間、インターンシップで滞在していました。
そんな櫻井さんに、シンガポールでのインターンシップや生活に関してお聞きしました。
このページの目次
大学で積み上げた、海外での経験
語学留学に、旅行に、、大学生になって行った国々
大学生になって、何度か海外には行きました。英語力をつけたいと、カナダに1カ月間語学留学に行きましたが、1ヵ月ではなかなか語学力が大きく向上したという実感を得られなくて、少しショックでした。
それで、もっと英語力を伸ばしたいと思って2週間フィリピンの語学学校に行きました。1対1で教えてくれるようなところで、そこでかなり英語を話せるようになりました。旅行でもグアムや韓国、台湾に行きました。
アイセックという組織との出会い
アイセックに入ったきっかけ
アイセックは日本の25の大学にあるのですが、私は現在、その中の1つの大阪市立大学委員会に所属をしています。大学ではサークルのような位置づけになります。自分の大学はそれほど国際色が豊かではなく、入学当初は自分自身も英語にコンプレックスを感じていました。
そこで、国際色豊かなサークルにといった環境に身を置きたいと考えていました。そんな中でアイセックは国際色も豊かで、所属している人たちも好印象でしたし、普通ではないことができそうだなと感じて、わくわくしました。それで入ることを決めました。
他大学との交流も頻繁に行れます。他大学のミーティングに参加をすることもありますし、合同で合宿を行ったりもします。
スリランカで参加をした、国際会議
スリランカではアイセックの国際会議に参加をしました。アイセックは国際的なNPO法人なので、アイセックの世界中124カ国の学生が参加をする国際会議でした。他国のアイセックメンバーと普段交流する機会はなかなかないのですが、そんな学生たちが一堂に会する国際会議になります。
アイセックは海外インターンシッププログラムを主催しています。海外のアイセックから、アイセックの日本支部が学生を受け入れるし、逆に日本から海外のアイセックに対して学生を送り出す事業も行っています。私が今回参加したインターンシップもそのように、シンガポールのアイセックに受け入れをしてもらった形になります。
スリランカで行われた国際会議では、事業に関しての話し合いを行いました。お互いにこの国に学生を送り出したい、という話であるとか、どのようにして参加者を集めるのか、といった情報のシェアを行いました。
インターンシップ先について
シンガポールの地でジョインをした、インターン先
FAST (Foreign Domestic Worker Association for Skills Training)という組織に所属をしていました。海外からシンガポールに来ている移民の女性を支援するような組織になります。移民である外国人のハウスメイドの方にスキルを身に付けさせて、雇用主との関係を良くするといったことを目的に活動しています。
FASTにジョインをしたきっかけ
もともと移民問題に興味がありました。いま日本で外国人が増えているという状況ですよね。そんな中で尖閣諸島の問題や慰安婦問題などに感化をされて、私自身外国人との共存に違和感を感じていました。
移民問題に関して問題意識や興味が芽生え、移民が多くいて、かつ政策も進んでいるシンガポールで移民のサポートをしているような組織で活動がしたいなと思いした。移民問題に関しての学びがたくさんあるんじゃないかなと思いました。
中学生、高校生のときにも既に多少の違和感を感じていました。でも大学生になって国際交流が増えていくにつれて、より外国人、日本人という区別を実感するようになりました。海外からの観光客のせいで嫌な思いもして、それって良くないなと思っていました。大学生になって、問題意識としてより強く認識するようになりました。
具体的な業務内容
外国人メイドの方々は、平日は働いているので、実際に交流を図るとなると土曜日、もしくは日曜日です。そこで、毎週日曜日に、シンガポール在住の移民の女性が集まるイベントの運営を主に行っていました。イベントには、シンガポールで働く移民の女性の方々が集まってきます。例えばヨガのダンスをしたり、独立記念日を祝ったりと、交流も出来るし、かつ参加して楽しいようなイベントを毎週会開催していました。
移民の女性を応援する、イベントの主催
私が滞在をしている間に2回くらいは日本料理を教える企画をしました。シンガポールでは日本食が非常に人気があるので、そんな日本食をハウスメイドが作れると、雇用主とさらに良好な関係を築くことができます。
私自身はイベントに際して、当日の受け付けや企画、運営から集客まですべて行います。主客に関しては基本的にFacebookで行っていました。結構人が来るので、集客に関しては困ることはありませんでした。
イベントによりますが、50人くらい参加するような日もありましたし、インドネシアの独立記念日のイベントには、100人くらいの参加者が来ました。質問などもたくさん飛んできて、対応するのが大変でした。そのような独立記念イベントや、歌のコンテストなど、幅広いイベントの運営を行っていました。
平日の業務
平日は主にNPOのオフィス仕事をしていました。日本の新入社員の方々がやるような仕事をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。食器も洗うし、書類も作るし、電話のアポイントメントから翻訳作業まで行います。イベントの宣伝ポスターを作ったりもしました。
シンガポールで感じた仕事のやりがい
イベントを企画し、運営していくなかにやりがいを感じていました。自分は結構料理が好きで、日本の料理を教えることって自分にしかできないことだなと感じ、こんなイベント作ったらどうかなとヒアリングをしていきました。実際にイベントをやって感想をまた集めて、イベントをより良いものにしようと努めました。
日本料理のイベントでいうと、実際に家でも作れそうなものや、お好み焼きとカレーうどんを作ったりました。自分の作り上げたもの(イベント)にたくさんの人達が来てくれて、満足感を得てくれたことに非常にやりがいを感じました。
インターンシップのなかで大変だったこと
オフィスで事務仕事をやっている時に、これって、日本でもできるし、日本のアルバイトと何も変わらないのではないか…と感じていました。自分はシンガポールまできて、無給のアルバイトをやっているような気がして、目的意識を失いかけた時に、辛かったです。
目的を見失いかけて、辛かった時期もありましたが、組織の中で、人も十分に足りてない中、事務作業であってもやらないといけないことは分かっていました。自分の中で、充実感を得られないような仕事でも、自分が希望してジョインした組織を運営していくのに必要な作業なんだという意識をもって仕事に取り組みましたました。
また、どんなに些細な仕事であっても、信頼関係の構築のために必要な作業なんだなとも思うようになりました。突然やってきた、英語もすごく流暢というわけではない日本人が、まわりのメンバーから信頼してもらうためには地道な努力が必要なんだと思いながら業務を行っていました。
インターンシップのなかで達成感を感じたこと
イベントのポスターのデザインをしていていたとき、フィードバックが厳しかったりもして大変だったのですが、何とか作り上げました。それを見て実際に人がイベントに参加をしてくれたり、Facebookで自分が作ったポスターを流して、「あなたが作ったポスターよかったよ!」という風に言ってもらえると凄く嬉しかったです。日本でポスターを作った経験はなかったです。
現地での生活の関して
住んでいた場所や移動手段
比較的シンガポールの中でも中心地に住んでいました。オーチャード通りからバスで15分くらいのところで、市街地でした。オフィスからは少し遠くて、バスで30分くらいかかりました。基本的に移動はバスを使っていました。
シンガポールは電車も発達していて便利なのですが、バスが安くてすごく便利です。ただ、現地の人が使うようなアプリを使わないと、時刻表が少しわかりにくくて、そのアプリをインストールして使っていました。
そのあとは基本的にバスを利用して、遠くに行くときだけまれに電車を使う感じでいました。今後、もしシンガポールに長期で滞在する人には、バス利用をおススメします。とにかく安いです。日本でいうSuicaのようなカードを使うことができるので、いちいちお金を出す必要もないです。
シンガポールの食べ物事情
一般的に家で料理をする人は少ないです。屋台のようなところがたくさんあり、そのようなところでよくご飯を食べていました。普通のレストランなどに行くと、値段も高額です。比較的リーズナブルな価格で食事ができる屋台のような場所で食べることが多かったです。
アジア系の食事は基本的に何でもあります。400~500円くらいで食べることができます。現地の人とよく一緒に食べていました。日本人の方で、「綺麗なレストランとかじゃないとちょっと…」と抵抗感がある方は少しきついかもしれません。
実は私も最初は口に合わないなと感じる料理がありました。ですが、たくさんの国の、色々な味の料理を入手することができるので、自分に合った食事を探せば大丈夫でした。移民も多く、他民族国家であるシンガポールの特徴だと思います。
特に美味しかったのは〇〇!
チキンライスが美味しくて、かつ安いのでおススメです。チキンライスといってもたくさんの種類があるので、人によって好みに違いがあると思います。いろいろな味のチキンライスを試してみるといいと思います。
現地のアイセックメンバーとの関わり
アイセックのプログラムで日本から来ていたのは自分だけでしたが、現地の、アイセックシンガポールの人達との交流はありました。また、自分の所属していたNPOにジョインしていたアイセックメンバーは自分ひとりだけでした。
アイセックシンガポールの人達は、休日に私を遊びに連れていってくれました。また、空港へのピックアップや、宿泊先の手配なども手伝ってくれました。派遣企業とのトラブルがあった時のサポートもしてくれます。現地で、幅広くサポートをしてもらえるのはアイセックの大きな特徴だと思います。
休日の過ごし方
疲れている時は休養にあてて、カフェに行っておいしいコーヒーを飲んで、一服したりしていました。観光地に行くこともあります。観光地でいうと、ガーデンバイザベイ(Gardens by the Bay)は行った方がいいと思います。現地のアイセックメンバーの家に行ったりもしていました。
海外に住む準備に関して
シンガポールで暮らす家
家に関しては自分で準備をしました。シンガポールは物価が高く、家賃も高いです。1番安いのは、バックパッカーが使うようなホステルを利用することだと思います。ひと月だいたい5万円くらいで泊まることができます。現地のアイセックメンバーに協力をしてもらいながら準備しました。
言葉に関して
英語に関しては、大学生活の中で、カナダやフィリピンで勉強をしましたし、それなりに話せるようになって、シンガポールに行きました。ただ、シンガポールは訛りがひどくて、自分の英語は聞き取ってもらえるのですが、相手が何を言っているのか理解するのに苦労することはありました。
アイセックのプログラムに参加をするのにTOEICのスコアが730以上が必要なので、事前にそのスコアは取得をしていました。
シンガポールでのインターンシップを終えて、考える今後のこと
シンガポールにインターンシップに行って思ったのは、色々な生き方があるということです。就職も絶対にストレートでしないといけないわけではないんだなと思いました。将来何をやりたいのか、具体的にこの職業!と決まってはいないですが、人の役につような仕事がしたいと思っています。
生き方に関しては、もっと広い視野で生きていきたいと思っています。不自由のない環境で、自分の生き方を選択できるような環境にいるからこそ、何気ない生活のなかで自分の行動が他の人に危害を加えているかもしれない、そういった部分に気を配れるように、より広い視野をもって生きていきたいと思っています。
海外インターンシップを迷っている人にひとこと!
海外でインターンシップをするということはそれなりにハードルが高いことだと思います。ですが、やらない理由はいくらでも作れると思います。お金、親の反対、、、逃げ道はたくさんあって、どうしても人間そっちに流れてしまうことはあると思います。
だから、行かない理由を探すのでは無くて、行きたいと思う理由を大事にして欲しいと思います。迷ってる時点で、行きたいと思っているということだと思いますよ!