一般的に留学や海外ボランティア、海外インターンシップなどは大学時代に行く人が多いイメージですが、高校生の段階で留学や海外インターンシップをすることができる機会も多くあります。高校生で留学などの海外での経験を求める人が減少傾向にあったという状況のなかで日本として留学者数を増やそうという方針をとり、国としてそのような機会を増やしている傾向があります。せっかくチャンスがあるのに、それを希望する人が少ないのはとてももったいないです。今回はそんな高校生で海外インターンシップをするという選択肢の魅力や方法を、徹底的に解説をしていきます!
このページの目次
高校生の海外経験の現状
高校生の留学者数の推移(文部科学省調)
うえのグラフを見ても分かるように、高校生での留学者数は減少傾向にあったものの、平成25年(2013年)を境に再び増加傾向になっています。これは、2020年までに日本人留学生を6万人から 12万人へ倍増させ、優秀な外国人留学生についても、2012年の14万人から2020年までに30万人 に倍増させることを目標とする、『 留学生30万人計画』が始められ、国として海外へ行く大学生や高校生を増やそうというプロジェクトの影響であると思われます。
高校生が海外へ留学に行きたいと思う理由
そのような状況の中で、高校生が留学に行きたいと考える理由は以下のようなものがあげられます。
- 語学力を向上させたい
- 外国の文化、スポーツ、歴史、自然等に触れたい
- 外国の人と友達になりたい
- 新しいことに挑戦したい
- 外国での生活や勉強に関心がある
- 国際関係の学問や職業に関心がある
- これからの進路を考えるきっかけにしたい
- 大学受験や就職に有利
海外に行きたいと思う理由は、大学生とそこまで大きな違いはなさそうですね。ですが、今後の進路のきっかけにしたいという考え方や、大学受験に有利だという考え方は高校生ならではかもしれません。高校生は、考えるべき進路がより長いのでそれだけ幅広いなかから選択をする必要があります。
高校生が海外へ行きたくないと思う理由
逆に高校生が留学に行きたくないと思う理由に関しては以下のような声があがっています。
- 言葉の壁
- 経済的に厳しい
- 留学方法、外国での生活、勉強、友達関係の不安
- 魅力を感じない
- 留学に関する情報不足
- 帰国後の学校生活や進路の不安
- 親元を離れたくない
留学に行く目的を語学力の向上とする学生が多い一方で、留学を避ける理由も1番は語学力なようです。しかし、経済的な問題や、情報の不足など、工夫次第で解決ができる意見が多くあるなというのが印象です。この記事を読んでくれている方の上記のような不安を払拭していきましょう。
(参考資料『高校生の留学生交流・国際交流等に関する調査研究等』)
高校生で海外インターンシップをするメリット
高校生のうちに海外インターンシップを経験することでどのようなメリットがあるのでしょうか?
- 生きた英語との出会い
- 早い段階で海外経験をすることで、その後の進路の幅が広がる
- 大学の推薦入試などでアピールすることができる
- 大学入学後に、同世代の他の学生と
- 同世代の優秀な学生達との出会い
高校時代とは、授業で英語を学んでいる真っ最中です。日本の英語教育では主に文法を学ぶと思うのですが、そのように文法を座学で学んでいる最中に生きた英語を知ることで、帰国後の英語学習の大きなモチベーションとなるでしょう。はやいうちから、スピーキングやリスニングの重要性を肌で感じることは非常に大事なことです。
また高校生という早い段階で海外インターンシップを行うことで、進路を考える大きな材料になるはずです。キャライズでインタビューをした高校生海外インターンシップ経験者も、海外インターンシップを経験したことで海外の大学に進学をすることを決めたそうです。そのように、大学進学への影響もそうですが、またその先である就職に対する意識も変わるでしょう。
まだまだそれほどメジャーになっているわけではない高校生での海外体験における出会いは貴重です。現時点で海外に出ようとする高校生はそれほど海外に目を向ける意識が高いということですので、そのような同世代の高校生との出会いは大学に進学をしたあともあなたにとってプラスであり続ける繋がりであると思います。
高校生でできる、留学のかたち
海外の高校へ進学をする
まずはじめに、海外の高校への進学の選択を海外にするという選択肢があります。これに関しては入学から卒業まで在籍をするということですので、高校生活を海外で終えることになり、とても大きな決断です。よりしっかりとした準備が必要です。この選択肢をとる際に注意したいのは、国によって入学をする月などが違うということです。よって自分の希望するタイミングで入学ができるように、早めの準備をする必要があります。
また、高校への入学手続きや、ビザの手続きなど、準備の中で重要でかつ難しいことが多々出てくるはずです。そうなった場合、自分や両親の助けだけではなかなか解決できないこともあります。ですので、海外の高校進学を専門に扱っているエージェントにお願いをするのがいいでしょう。たくさんのエージェントがありますので、価格やサービス内容、信用度など、きちんと比較検討をしてから選択をするようにしましょう。
日本の高校に在籍しながら、1年間海外の大学へ留学する
交換留学となる場合は、教育団体やエージェントのプログラムに参加をするのが一般的なようです。複数の団体やエージェントを比較検討したうえで、自分に合ったプログラムを探しましょう。また、なかには、学校間や都市間の姉妹制度による交換留学もあります。
日本の高校に在籍をしているということで、その後の進路のことも考慮しつつ準備をするようにしましょう。学校によりますが、海外の大学で学ぶことで、単位を修得でき、3年間で卒業することが可能な場合もあります。自分の通う大学に確認をしてから準備をし始めるようにしましょう。また、海外の大学で学ぶ内容が、日本の大学受験に必要ではない内容であることもあります。日本での大学受験のことも頭にいれつつ、計画を立てるようにしましょう。
長期休暇を利用して、短期の研修に参加をする
上記ふたつに比べて、準備にもそれほどの工数を要しませんし、参加をしやすいのが特徴です。夏休みなどの長期休暇を利用しますので、受験勉強などとうまく調整をしやすく、また部活動との両立も不可能ではありません。目的は多種多様で、語学力の向上にフォーカスを当てたものや、企業研修、文化交流など、自分の目的に合ったプログラムを探しましょう。
海外の大学へ進学をする
高校を卒業後に、海外の大学へ進学をする、という形です。大学4年間を海外の大学に在籍をするという形です。大学教育というのは国によって方針が異なることが多いです。事前にきちんと調べて、把握をしておく必要があります。
例えば、アメリカは大学に入ってからきちんと勉強をしないと卒業をすることができませんし、学んだことを他の人に発信する力を養うことに重きを置いている傾向があります。イギリスの大学になると、専門性が強く、入学後から卒業までその専門分野を一貫して学ぶという傾向があります。このように国によって大学の方針に特徴がありますので、自分の目的に合った選択をしましょう。
高校生が海外インターンシップや現地での実践活動に使うべきおススメの奨学金
トビタテ留学JAPAN
こちらは国が行っている奨学金制度になります。キャライズ内でも紹介をしている、官民協働の奨学金制度です。このトビタテ留学JAPANには、高校生コースが存在します。奨学金ももちろん魅力的ではあるのですが、トビタテ合格者によるコミュニティも大きな魅力のひとつです。
また、トビタテ高校生コースの特徴として、多様なコースがあり、自分の目的や期間によってそれに合ったコースを選択することができます。また、留学計画を自分で自由に組むことができ、奨学金の支給期間に関しても留学計画に合わせて14日~365日で設定することができます。
分野 | 活動 | 留学期間 | |
アカデミックコース | テイクオフ | 海外の語学学校にて、外国語を勉強するプログラムへの参加や、留学などによる異文化交流 | 14~21日間 |
(例)外国語を修得するのを目的としたサマースクール・語学学校 | |||
ショート | 海外の高校や、大学付属の教育機関に在籍し、外国語を用いた授業の受講やプログラムへの参加 | 14~106日間 | |
(例)大学等のサマースクールやサマープログラム、現地学校へのターム留学 | |||
ロング | 海外の高校に長期滞在し、外国語を用いて様々な科目を履修する | 107~365日間 | |
(例)交換留学や私費留学による長期的な現地高校への登校 | |||
プロフェッショナルコース | 現在学んでいる専門知識やスキルをインターンシップなどを通して更に磨く | 14~106日間 | |
(例)病院や工場での実地研修 | |||
スポーツ・芸術コース | 海外の施設などでスポーツや芸術分野のトレーニング等を行う | ||
(例)現地のチームに所属・現地の指導者の下で指導を受ける | |||
国際ボランティアコース | 海外で行われるボランティア活動に参加をする | ||
(例)NGO団体によるボランティア活動への参加 |
トビタテ留学JAPAN4期の場合の募集概要
応募対象者 | 国内の高等学校在籍者 |
採用人数 | 535人 |
倍率 | 3.9倍(2099人応募) |
支給期間 | 14日~365日 |
支給金額 | アカデミック・ロング以外の場合
約20万円~100万円 アカデミック・ロングの場合 授業料約30万円・現地活動費10万~14万円 |
ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)
UWC(ユナイテッド・ワールド・カレッジ、本部:ロンドン)は、世界各国から選抜された高校生を受入れ、教育を通じて国際感覚豊かな人材を養成することを目的とする国際的な民間教育機関です。現在までに、イギリス、カナダ、シンガポール、イタリア、アメリカ、香港、ノルウェー、インド、オランダ等にカレッジ(高校)が開校されています。そんなUWCの派遣に際して授業料の一部などを免除してもらうことができます。
UWCでは、国語や数学といった、日本の高校で学ぶ知識はもちろん、社会福祉・海難救助・山岳救助・海洋生物調査・森林整備などの活動も行います。より実践的な活動も経験することができるんです。
応募対象者 | 応募時点で16歳以上(日本の場合高校2年生) |
採用人数 | 24人 |
倍率 | 4.4倍(119人応募、2016年) |
支給期間 | 約2年間 |
支給金額 | 派遣先によって異なるが、寮費や授業料の25~75%を負担してもらえる |
その他地方自治体が運営する奨学金
日本各地の地方自治体では、高校生が海外へ行くのを補助するような制度を有していることが多くあります。地方自治体の奨学金は、その運営する自治体に在住している必要があったり、また自治体によってその他の条件や、支給額に違いがありますので、まずは自分の所属する自治体にそのような制度があるのか、またあったなら、どのような条件があるのかをきちんと確認しましょう。
今回紹介したのは、インターンシップであったり、現地での実践活動をおこなうのに適した奨学金を紹介しています。現地の学校に通う”留学”という形にした場合、更に多種多様な奨学金制度が存在します。自分の目的に合わせて、比較検討をしまし、ベストな奨学金を選択しましょう!
まとめ
いかがでしたか?今回は高校生で海外インターンシップへ行く人数の現状やメリット、奨学金の情報をご紹介しました。ここでもう一度高校生が海外挑戦を不安に思っている理由を振り返ってみましょう。
①言葉の壁
→言葉の壁はたしかにあります。その言葉の壁を感じるのも留学やインターンシップの醍醐味のひとつでしょう。でも、工夫次第では、英語を使わずに有意義なインターンシップ生活をおくることもできます。『英語が出来なくても海外インターンシップはできます。英語力に自信のない人が海外インターンシップをする方法とは!?』
②経済的に厳しい
→今回紹介したものをはじめ、多種多様な返済不要の奨学金制度が存在します!
③留学方法、外国での生活、勉強、友達関係の不安
→今回紹介したように、海外挑戦には多様なかたちがあり、自分にあった選択ができます。また、海外へ出ることで、また新たな交友関係が生まれたり、海外挑戦ののかたちによっては現地できちんと勉強もすることができます。むしろ日本にいるよりも勉強ができる環境が整っている場合もたくさんあります。
④魅力を感じない
→これに関しては、人それぞれ価値観の問題だと思うのですが、海外へ出ることの魅力はたくさんあります!そしてキャライズでは、旅行よりも海外で働いたり、何か活動をすることを推奨しています。『なぜ、学生はインターンなどで海外で働く経験をすることで未来が開かれるのか』
⑤留学に関する情報不足
→国として、いま海外へたくさんの若者を増やそうとしています。ですのでネットなどにはたくさんの情報があふれていますし、各エージェントや、自治体などから情報を収集することができます!
⑥帰国後の学校生活や進路の不安
→今回紹介したように、たとえ高校生の1年間を海外で過ごしたとしても、3年間で卒業する方法もあります。また、海外での経験によって、自分の進路がよりはっきりとすることもあります。自分の行きたい大学などが既にはっきりしてる場合は、その大学の推薦入試で、アピールの材料にもなり得ます。
⑦親元を離れたくない
→親元を離れたくないという気持ちは分かりますが、いつかは離れなければなりません。より若いうちからそのような経験をしておくことは貴重な経験になると思います。また、逆に親御さんからの反対がある場合もあるでしょう。親御さんを納得させるコツはこちらをチェック!『両親を説得するためにすべきことはすべて自分のため!!留学・海外インターンシップを両親に承認してもらうために必要なこと』
このように、現在高校生が海外への挑戦に対して感じている不安は解決できるものが多くあります。今、海外へ行きたいなと考えている、高校生、是非挑戦しましょう!道はたくさんあります!!
インターンシップを経験した女子高生のインタビュー記事はこちら
中学生で海外スタディツアーからの高校生で海外インターンシップ!15歳の女子高生がトビタテ留学JAPANを利用して、アフリカの病院に勤務!